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稜さんの憂鬱12
「ふっ……んんっ、ん……」
ゆっくり、橙里が腰を振り始める。だが、聞きたいのはこんな声じゃない。
快感に耐える顔もいいが、稜が好きなのは快感に溺れきった橙里の顔だ。
悪いな、橙里。
「ん、おまえの声はそんなもんじゃねえだろっ」
「あっ!? は、ああっ! まっ、て……あ"うっ!? つよっ……!」
そう、これ。
くぐもった声ももちろんいい。それでも、橙里の喘ぎはこうでなければ。
「ここだろ、善がるの」
「いっ……あーっ……! は、ぅん、イっ……あ!」
「っ!」
中がかなり締めつけられる。達したんだとすぐにわかった。だが、橙里の雄から白濁は出ていない。元気なままだ。
と、いうことは。
口が緩む。もう耐えきれない。
「中でイった?」
「あ……ぅ……」
「ふーん……」
耐えろ表情筋。なんのための三十四年分の苦労だ。
最高。橙里が中で達した。
精力剤さまさまだな。
「まだ頑張れるよな、橙里?」
「へっ……!? え、嘘……もうむりっ、んんっ!」
橙里の腰を両手で固定し、下から大きく突き上げた。自身の先端が変形するのが自分でもわかる。
ベッドが軋むほど強く突き上げた。橙里は最早声すら出さないで快感の言いなりになっているようだった。
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