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甘い休暇16

 そして、呆気なく達してしまった。  はあはあ、と疲れ果ててなんとか息を整えていると稜が橙里のことを無理やり起き上がらせて尻の割れ目に手を伸ばしてくる。 「っあ……! やめっ、んん……!」 「別におまえになら抱かれても構わねえが、おまえは俺にぐっちゃぐちゃにされるのが好きだろ?」  そう言いながら指をずぷぷ、と入れてきた。割って入ってきたその指は遠慮なく奥まで入り、橙里はそれを受け入れるために無意識に腰を跳ねさせていた。  すっかり、稜のための身体になってしまったようだ。  そんな橙里の腰を見て、稜は指の動きを止めることなくにやりと口の端を上げた。 「橙里が俺の上で腰振ってるのはいいかもな」 「ぅ……ん、ぁうっ」 「いつか俺の腰が役立たずになったら抱かせてやるよ……まあ」 「ぁあっ……!」 「それがいつになるかはわかんねえけど」  指が増え、そこからは水音が止まることなく聞こえてくる。  外だということがさらに羞恥心を増幅させていて、いつもなら声をもっと出してしまうけど声の大きさをセーブさせていた。  聞かれたら……  だから口元に手を当て、声をなるべく小さくしていると呆気なく手を取られた。 「我慢すんな。聞かせろ」 「だって……誰かに聞かれたら、やだ」 「……ここの宿の別名、なんだか知ってるか?」  指が孔の中をぐるりと大きく回り、襞を強く掠める。  身体が、びくんと跳ねる。 「風呂場でセックスできる宿、って言われてんだよ」 「は……!?」 「どれだけ声出しても隣にいる奴に聞こえねえんだよ。だから声たくさん聞かせろよ、橙里」  指がずるりと抜けた。その指には大量の密が絡みついていて、稜の綺麗な指を汚している。  けど稜は一切気に留めることなく、自身の名前を呼ばれただけで顔を赤らめる橙里を愛しく見つめながら。  自身の雄を入口に宛てがい、予告することなく一気に突き刺した。

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