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甘い休暇17
「─────っ、ぁあっ……!」
がつんと殴られたような快感に、声すら出なくなった。
まるで狭い入口から溢れ出るように、橙里の屹立の先端からは白濁が一気に噴き出す。
稜はそんな橙里を見て、汗で額に張り付いた前髪を無造作にかきあげながらほくそ笑んだ。
達した直後の身体は敏感になるもので、無遠慮に稜の腰が動く中橙里はなんとか声を抑えようと両手で自身の口を覆っていた。
「ん、ふっ、んんうっ……ふぅう……」
普段の稜ならその手を無理やり取って押さえつけているところだが、月の光に当てられて橙里の目に溜まる涙が官能的すぎて、獣のように腰を振る。
温泉のお湯が、揺れた。
「っはぁっ、すとっ、ぷ……! ぁあっ、や」
「ん?」
「とまって、とまっ……ぁ───!」
稜の雄が最奥まで到達し、橙里は白濁を漏らすことなく達してしまった。
目を大きく開き、口からははしたなく涎が垂れた橙里が小刻みに身体を揺らすのを見て、稜は目を細める。
橙里の顔は稜の中にあるほんの僅かな嗜虐心を刺激し、その証拠に体制を変えられた。
横向きにさせられ、片脚を上げさせられる。
稜に向かって大きく脚を開くようにさせられ、橙里は顔を真っ赤にさせた。
ここまで、自分の身体の柔らかさを憎んだことがない。
全てが稜の視界に入るため橙里の全てを見られているようで嫌なのだ。
ただ───酷くされることを心の奥底で期待している、好んでしまっていることを橙里は知っている。
その、少しの渇望はすぐに稜に見透かされ、更に稜の雄が奥まで入るように下腹部を持ち上げられた。
今まで感じたことのないそれに、喉の奥がひゅ、と鳴る。
本能が稜を求めた瞬間だった。
磁石が引き寄せられるように、落とした物が重力に従って床に叩かれるように強く稜が狭い道をこじ開けて、最奥の、それよりも奥に到達した。
目の前がちかちかとした。
そして、知る。
今まで、かなり手加減されていたことを。
こんなものではない。
もしかしたら、もっと、これよりも強い快感を知ってしまうかも──
恐怖より、快感が勝ってしまった。
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