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あの二人2

 橙里さん、ほんとにこの人と付き合ってるんだよな……  いつもどんな会話をしているんだろう。  てか、見れば見るほどイケメンだ。ここまで面と向かって顔を見たのは初めてかもしれない。 「……あの」 「……」  少し躊躇いながら話しかけてみると、整った双眼が俺のことを捉えてきた。  その瞬間、身体の奥が縮こまるようにゾクッとした。  ああ。なるほど。  今までこの男に惚れた女性はみんなこれを経験しているのか。  でも俺は女ではないのでな! 「橙里さんから俺誘おうみたいなこと聞いてました?」 「ああ、聞いてる」 「……えっと?」 「橙里さん、か。随分仲がいいんだな」  顎に手を当て、俺を品定めするように見てきた。その顔は面白そうにほくそ笑んでいる。  ええ……それで、俺にどうしろと?  掴みどころ全然ねえな……けど、橙里さんとは意思疎通できるんだろうなあ。  愛の力か。ぐへへ…… 「……今くだらないこと考えただろ」 「へっ」  あれ、バレてしまった。  エスパーか何か? いや、今そんなのどうでもいいか。  橙里さんと同級生ならこの人も三十四歳かあ。色気ダダ漏れえちえちマンだな…… 「確か、二十二歳だったか」 「そうっす」 「若いな……やり放題だな」 「……それは、エッチな意味で?」 「ああ」 「まあ……あんま疲れないですね」  ちょっと下ネタになってきた。    もしかして、この人結構エロいことに耐性とか結構あるのか?  いがーい。 「俺、高校生のときあだ名あったんすよ」 「なに」 「アレの達人」 「……ふ、」  アレ、というのは当然ナニで。  裏ではまじでそう呼ばれていた。上手いんだよ、あれが。  ただ、ヤリチンってわけでもないんだけど。元カノがすげえメガホンで、いちいち俺との感想を周りに言っていたらしい。  ったく……そのせいですげえモテた。女に。  男からは『おまえEDじゃなかったんだな』とからかわれた。ムカついた。

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