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嵐の前の静けさ 2

「楽しかった、けど。子守で疲れた…」 今でもあの光景を思い浮かべるとグッタリする。子どもはどうしてあんなにパワフルなんだろうか。 「それは災難。そういやタスクは子ども苦手やったな。でもそんなん言ってられんくなるな、未来のカウンセラーさん?」 「うう…院で心理するからって、カウンセラーになるとは限らないよ…」 そういいつつも、院に行けば自然と進路は狭くなっていく。いずれ親と同じ道に進む、そんな気はした。 「そうかなあ?俺はタスクがカウンセラーって似合いそうやと思うけど」 「それを言うと広彰は警察官ってぴったり」 広彰は出会った頃からずっと警察官になりたいと言っていた。今年、倍率の高い試験に一発合格し、そして春から警察学校に入校するそうだ。特に夢も無く、なんとなく自分の進路を決めた俺にとって、夢に向かって努力し、それを叶えてしまうというのは本当に尊敬するところだ。 「誰からも好かれる警察官になりそう」 「まじで?」 「うん。性格いいし、正義感あるし、頼れるし」 「何〜、そんなに褒めて。タスクこそ、酔っとる?」 「少し…」 気を抜くと好きが溢れてしまう。これはあってはならない気持ち。人の心を読むのが上手い広彰に勘付かれないよう、お酒のせいにして溢れる気持ちに蓋をした。 それから他愛も無い話をして、気付けば終電の時間を過ぎていた。そもそも1人で帰るのは無理だろうと思うくらい広彰は酔っていたので、歩いてすぐの俺のアパートに行くことにした。

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