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嵐の前の静けさ 4

「あれ、」 風呂から上がり軽く髪を乾かしてから寝室へ戻ると、意外にも広彰は水を片手にベッドに腰掛けていた。 「起きてたんだ。」 「遅い。」 少しムッとした表情で手招きしてくる広彰。俺は頭にハテナマークを浮かべながらどうしたの、と近付いたその瞬間、 「わっ!」 腕を引っ張られ、ベッドに押し倒されてしまう。俺の顔の両側に手をつき覆い被さる広彰の目は鋭くて、そして、熱くて。 「よ、酔いは…?」 「覚めた。」 「……ほんとに?」 「さっきベランダ出て、夜風あたったらだいぶ。水も飲んだし。」 「……するの?」 「無理?」 ムスッとしたり、シュンとしたり。広彰って犬みたいだなと、くすりと笑う。 それから…、さっきから頬が熱いのはきっと風呂上がりだからだ。広彰に抱き着きたいと思うのは、さっきまで夜風にあたっていたその身体が冷たくて気持ちいいから。 「無理、じゃないよ…。」 抱かれるのは、彼女のいない広彰の性欲処理のため。後ろでしかイけない、俺自身のため。きっとそういうwin-win関係だから、 首に腕を回し、ちゅ、と軽く口付け俺は広彰を受け入れるのだ。

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