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嵐の前の静けさ 5※

「んっ…」 舌を絡めながら、広彰は俺の服を脱がし、そして自分の服を脱ぎ捨てた。手は直ぐに俺の後ろに向かって行って、入り口に触れた瞬間びくりと身体が跳ねる。 「指、冷たい?」 「少し…」 「ん、じゃあ舐めて。」 「はぁっ、ふ……ぅン……」 広彰のごつごつとした男らしい指に口内が犯される。先程まで舌が絡み合っていた口内は熱く、冷たい指が気持ちいい。イラマチオをされるように指を舌に擦り付けてピストンされれば、それだけで脳内がスパークして、軽くイった。 「こーら、俺置いてけぼりさんやん。」 「だって…」 「ん〜?」 「…何もない。もう挿れていいよ?」 「無理、ちゃんと解してから。」 「別にいいのに…。」 何だか労われるのは、擽ったくて恥ずかしい。男の俺をそんなに大事に扱わなくていいのにと思うが、広彰は毎回前戯をしっかりとする。広彰の彼女になる人は幸せだろうな…。 「ちょっと狭くなってない?いつぶり?」 「年末に広彰として以来だから、2週間ぶりかな…」 「1人では?」 「だって実家帰ってたし、子守してたし、無理だよ。ぁっ、んっ!」 それはそうか、と広彰は笑う。 「あ、でも、東京なわけやし、他のヤツとか捕まえんかったん?」 「しないよ。こういう事するのは広彰だけ。」 俺を何だと思ってるの、そう言おうとしたけど、それは喉で止まった。それは広彰が突然顔を手で覆ったから。

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