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青天の霹靂 2
荷物を片付け、講義室を出る。少し辺りを見渡して広彰の姿が見えない事に安堵し、それから俺は帰宅した。
家に着いてからもずっと悶々としていて、結局布団の中まで持ち越してしまった。喧嘩した訳でもないのにどうして俺は広彰を避けているのか。今日は広彰の待ち伏せもなく、家に来ることもなく、安心しておきながら少し寂しいとも思った。
“広彰がタスクに嫌われたかもってウジウジうるさいねん。”
ふと、頭をよぎる倫太の言葉。俺が広彰を嫌うはずない。でも、俺がこのまま広彰を避けていたら?広彰は誤解したまま俺から離れる…?もう友達でもいられなくなっちゃうんじゃ…。
それは絶対に嫌だ。
このままじゃ駄目だ。明日、ちゃんと謝ろう…。
「ていうか、今、何時…。」
もぞもぞと布団から這い出て時計を確認する。
──05:45──
「うそ…。」
一晩中考えて眠れなかったようだ。あっという間だったけど…。外はまだ暗い。今日は2限からだから。9時に起きたら間に合う。あと3時間だけ、寝よう。
もう一度肩まで布団を被り、そして目を閉じた。
カチ…
カチ…
カチ…
カチ…
カチッ
──05:46──
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