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青天の霹靂 6

『うわっ、こっちもか、行き止まりや…!』 『魚屋の兄ちゃんらか!向こうどないなっとる!?めっちゃ火あがっとるけど…。』 『あかん、全壊です。それにガス漏れとるみたいで、さっき爆発して…。入口の方行けば思ってこっち逃げてったんですけど…。』 『入口の方もさっき火上がったんや。』 『囲まれましたね…。早よ逃げなやばい、』 ゥゥゥゥウウウウウウウゥゥゥ───… カンカンカン────! 『消防車!?』 『入口の方や!よ、良かった…。』 『……でも、この勢いやとこの辺火回る方が先かも…。俺ら抜け道探してきます!』 『せやな!その間俺らはまだ残っとる人おらんか探すわ!頼んだで…!』 火に囲まれてる…。 ここからはあまり見えないけれど、会話から状況を把握する。 「…けほっ……。」 確かに焼ける臭いと、それから煙が…。目にしみて痛い。冬なのに段々と寒くなくなってきて、火が近いことを身を持って感じた。 ゥゥゥゥウウウウウウウゥゥゥ… カンカンカン───! 『そっちはどうや!?』 『もうあかん!火が強すぎて抜けられへん!』 『消防車は⁉︎救急車はどないなっとんねん!』 『助けて!子どもがまだ中に……!』 皆んなが慌てているのが分かる。 まるで俺はその場にいなくて、画面越しにそれらを見聞きしているようなそんな感覚に陥ってくる。煙がさらに充満してきて、息も苦しいし目も痛い。意識も段々と薄れていく気がした。 『おい。そこの消防士、何突っ立っとんねん!早よ火消してくれよ!何しとんねん…!』 『……無理なんです…。消せないんです…。』 『はぁ!?ふざけんなよ。俺らのっ…、俺らの街が燃えよんやぞ、悔しないんか…!アンタ消防士やろっ!』 『…悔しいに決まっとる!皆んな助けたい思って、心配やけど家族残してここへ来た…!でもっ!もうあかん……消火栓もやられてしもた…。近くに汲み取れるほどの水もない。俺だって……くそっ…!』 まさに地獄。そんな感じだった。 俺は目を開けるのも、息をするのもツラくて、顔を伏せた。 その時だった。靄(もや)がかかったように聞こえていた声が、はっきりと聞こえたのは。 「抜け道見つけたで!こっちから避難できる、早よせな火が回る!………おい、兄ちゃん!大丈夫か!?早よ逃げるで!」

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