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第3話
先生×先生もいいけれど、先生×生徒も美味しい。
それか生徒×先生もありだな。
隆一みたいなわんこイケメン系に好かれて、戸惑いながらも受け入れる男性教師。
じゅるり。
危ない危ない。
想像しただけで涎が出そうになった。
「これから皆の担任になる水島 希 と言います。一年間宜しくな」
挨拶をすると隆一がぼそりと。
「希ちゃんが担任か、ラッキーだな」
とこぼしたのを俺の耳は聞き逃さなかった。
ラッキーという事はあれか。
やっぱり意中の先生だったからラッキーっていう事か。
そうか。
生徒×先生か。
いいぞ、いいぞ、大変いい。
美味しいじゃないか。
なんて勝手に考えていると、隆一がこちらへと振り返って告げてくる。
「先輩から聞いてたんだよ。希ちゃんは優しいから、当たったらラッキーだって」
「そうなのか」
なんだ、そういう意味か。
がっかりしたけれど、これから一年何が起こるか分からないからな。
このカップリングも後でメモしておこう。
榊 隆一×水島 希
水島 希×榊 隆一
よし、とりあえず、脳内にはインプットしておいた。
そんなことを考えている間に水島先生の話は終わって今日のところは解散となる。
それぞれがそれぞれに行動を始めるのを見て、俺もさっそく校内探検して生BLを探しに行こうと考え鞄をもって立ち上がると隆一が声をかけてきた。
「悠斗、もう寮に帰るのか?」
「いや、校内を見て回ってから帰ろうかと」
「なら、俺が案内してやるよ」
再び人懐っこい笑顔で告げられて、俺は返事に困る。
本当は自由気ままに生BL探しをしたいところだったけれど、好意で言ってくれるのを無碍にもできない。
まぁ、生BL探しは明日でも出来るし、時間はまだたっぷりあるんだから今日は言葉に甘えるとするか。
「いいのか?助かる」
「おう、任せとけって。中等部の時から先輩達に会いによく来てたからな。中の事は熟知してるからさ」
「先輩達?」
「ああ、俺サッカー部に入部しててさ。その時の先輩達」
「成程。サッカー部なのか、似合ってるな」
「そうか?サンキュ。悠斗は部活には入ってなかったのか?」
「ああ、俺は帰宅部だったな」
部活に入ったら家に帰ってBL漫画を読むのに時間が減るからな。
とは心の中だけで付け足しておく。
「そうなのか?なら高校に入ったのをきっかけに何かはじめてみればいいのに」
「まぁ、考えておく」
放課後は生BLを探すのに費やすつもりだから入る気はないため曖昧に返しておく。
BL部があれば喜んで入部するんだけれどな。
「じゃあ、行くか。まずどこから見たいとかあるか?」
「いや、特にはないから任せる」
「了解。それじゃあ、まずは…」
「隆一」
言いかけた隆一の言葉を遮るように、誰かが声をかけてくる。
視線をそちらへとむけて、俺は軽く目を見開いた。
教室の入り口に立っていたのは、かなりの美少年だったから。
美少年、キタコレ!
心の中で思わず叫ぶ。
さらっとした艶やかな髪に白めの肌、可愛い系というよりは綺麗系の美少年だ。
「聡じゃんか。どうした?」
「どうしたじゃないだろ?今日は帰り買い物に付き合うって言ってたよな?」
「あ…」
聡と呼ばれた美少年の言葉に、隆一ははっとした様子を見せる。
どうやら、先約があったのを忘れていたらしい。
「悪い!すっかり忘れてた!」
「…やっぱり忘れてたんだな」
「本当、悪い!」
「はぁ…まぁ、いい。とにかく、買い物に付き合ってもらうからな」
「あ、でも、俺今からこいつ案内しないと」
「こいつ?」
隆一の言葉に美少年はようやく俺の存在に気が付いたようで俺の方を見てきた。
というよりは、キッと強い視線で睨まれた。
あれ?俺、今睨まれた?
「ああ。紹介するな。高松 悠斗。高校からこの学校に入ってきたんだよ。で、こっちが俺の幼馴染の」
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