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第4話

「自己紹介ぐらい自分でする。相羽 聡(あいばさとる)。宜しく」 宜しくという割には、やっぱりなんだか友好的ではない視線を向けられてる気がするんだが。 と思いながらも俺も挨拶を返す。 「こちらこそ宜しく頼む。ところで隆一、先約があるならそちらを優先してくれていいぞ」 「え?いいのか?」 「ああ、校内探索は俺一人でも出来るしな。約束は守った方がいい」 俺も当初の予定通り、生BL探しに精が出せるしな。 心の中で付け足して告げると、隆一は少し迷うような様子を見せるも頷いて俺に謝ってきた。 「悪いな。この埋め合わせは今度するから」 「いや、別に気にしなくていい。じゃあ、また明日な」 ひらひらと二人に手を振って、俺は教室を出て行く。 さてと、これからが本番だ! 漸く生BLが見られると思うと、心がわくわくと踊ってくる。 どんなカップリングが見られるんだろう。 先輩×後輩?後輩×先輩も美味しいな。 教師×生徒もいいし、生徒×教師も美味しい。 勿論、同級生同士だって王道だけれど美味しく頂ける。 まぁ、つまりは何でも美味しいんだけれども。 なんて考えながら校内を探索していると、前方をふらふらと歩く男子生徒の姿を見つける。 なんだか調子が悪そうだけれど大丈夫だろうか? そう思った次の瞬間。 バタンッ。 と音を立てて男子生徒の体は倒れてしまう。 「ちょ、大丈夫ですか!?」 突然のことに驚きながらも俺は駆け寄り、男子生徒の様子を見る。 男子生徒は、顔を赤くしながら少し呼吸を荒くしていた。 もしかして、と俺は額に手を当てて熱を確認すると、額は思った以上に熱を発していて慌てて男子生徒の体を抱き上げる。 これは不味い。かなりの熱がある。 一刻も早く保健室に連れて行かないと、と抱き上げたまま歩き出す。 保健室は確か、一階にあったはずと、階段を下りて一階へ到着すると辺りを見回す。 「保健室…保健室は…っと、あ、あった!」 保健室と書かれた表札を見つけると、急ぎ足でそちらへと向かい扉を足で開けて中に飛び込む。 「先生、急患です!」 「あー、どうした?」 俺の言葉に奥から出てきたくれたのは、無精髭を生やして少しぼさっとした髪型の白衣を着た保険医だった。 こういうタイプはきちっとしたらイケメンなんだよな。 そして、たいてい攻めキャラだ。 と、思わず観察してしまったけれど、今はそれどころじゃなかった。 「急に廊下で倒れて、すごい熱があるみたいで」 「どれ、ベッドに寝かせてみろ」 「はい」 言われた通り、ベッドに男子生徒の体を寝かせると、保険医は体温計を持ってきて熱を測る。 やがて、ピピッと体温計が計測を知らせる音が鳴ると、結果を見た保険医は微かに眉根を潜めた。 「39度以上あるな。病院へ連れて行くか。…お前は、こいつのクラスメートか何かか?」 「いえ、通りすがっただけです」 「そうか。なら、こいつの担任に連絡を入れに行ってくるから。それまで見ていてくれないか?」 「あ、はい。わかりました」 頷く俺に頷き返して、保険医は生徒の胸ポケットにある生徒手帳を確認してから急ぎ足で保健室を出て行った。 やっぱり熱が大分あったんだな。 そう思いながら、男子生徒の様子を見守る。 さっきは突然のことで慌ててよく見ていなかったけれど、よくよく見ると美形な顔立ちをしている。 綺麗系のイケメンだな。 受け側っぽいけれど、攻めでもいけそうな。 なんて、考えながら観察していると、男子生徒はゆっくりと目を覚ます。 「…ん…あれ…ここは…?」 「あ、気が付いたのか。よかった」 「えっと…君は…?」 「ここは保健室で、あなたは俺の目の前で倒れて気を失っていたからここまで運ん出来たんだ」 「君が…?」 「ああ」 「…そうか。有り難う。えっと…名前を聞いてもいいかな?」

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