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第5話

「ああ。俺は、一年の高松 悠斗」 「高松君か。一年なんだね。僕は日比谷 優里(ひびやゆうり)。一応二年生だよ」 「あ、先輩でしたか。すみません」 よく見ればネクタイの色が一年の赤じゃなくて緑だった。 慌ててて、よく見てなかったと俺は頭を下げる。 「…ふふ、いいよ。別に気にしなくて」 やんわりと笑みを浮かべる男子生徒、もとい日比谷先輩を見て、俺は確信した。 この人は受け側だと。 俺の中のBLセンサーが間違いないと告げている。 「…体調の方はどうですか?」 「うん、なんだか頭がぼーっとしてるかな…」 「それは仕方ないですよ。熱が39度もあるんですから」 「そんなに?自分では気づかなかったな…体もだるいはずだ…」 「保険医の先生が病院に連れて行ってくれますからそれまで我慢してくださいね」 「…うん」 そんな会話を繰り広げていると、保険医の先生が戻ってきた。 「待たせたな。ああ、気が付いたのか日比谷。これから病院まで車に乗せていくが一人で歩けるか?」 「…はい、多分大丈夫です」 「そうか。なら行くぞ」 「はい」 「じゃあ、俺はこれで失礼します」 「おう。ご苦労さんだったな」 「…本当に、有り難う」 二人に一礼すると俺は保健室を後にする。 日比谷先輩、ちゃんと元気になればいいけれど、と少し心配になりながら。 保健室を離れた俺は、さてどうしようかと考えこむ。 生BLが見られそうな場所へ行きたいところだけれど、どこへ行けばみられるだろうか。 本当なら堂々とイチャイチャしてくれてるのが一番なんだけれどな。 残念ながら今のところその様子は見られない。 まぁ、普通の男女でもあちこちでイチャイチャはしてなかったから、男同士ならもっと人目を忍んでいるのかもしれない。 禁じられた男性同士の人目を忍ぶ恋。 だからいい、というのもある。 となると、見つけるにしてもなかなか困難なのかもしれないな。 なんて考えながら歩いていたものだから、前方を見ておらず、そのまま曲がり角を曲がったところで。 ドンッ。 「えっ!?」 「うわっ!?」 誰かとぶつかってしまい、尻もちをついてしまう。 しまった完全に前方不注意だと、打ち付けた尻を軽くさすりながら立ち上がると、同じように前で尻もちついていた男子生徒に向かって手を差し伸べた。 「すまない。大丈夫だったか?」 「あ、いや。俺も前を見ていなかったから」 男子生徒はそう言って俺の手をとりながら顔をあげたのを確認した次の瞬間。 凄い美人がキター!! と内心俺は絶叫していた。 そう、相手は女性でもこれほど綺麗な人はそう見当たらないんじゃないかというぐらいの美貌の持ち主だったんだ。 綺麗だけれどクールな雰囲気も漂っていて、これぞクールビューティって感じだ。 クールな美人受け、いや美人攻めもいい。 どっちも美味い! 生BLはまだ見られていないけれど、今日は出会う人物揃って妄想の糧になるような人達ばかりに出会えてるな。 これはこれで幸先いいような気がしてきた。 立ち上がった超絶美人のネクタイを確認すると、緑色だったので二年生だと認識する。 「本当にすみませんでした。怪我はされていませんか?」 「ああ、大丈夫だ。そっちは?」 「俺も大丈夫です」 「それなら良かった」 そう言って微笑む超絶美人に、思わず目の保養だと見惚れそうになった時。 「おい、由貴。何やってるんだ。行くぞ?」 という声が聞こえてきて、声の方を向くと。 美形美人軍団キター!! 再び心の中で絶叫する。 視線の先には、人並み以上の美貌を持った美形達が五人も並んでいた。 なんだ、この見目麗しい人達は。 超絶美人の知り合いみたいだけれど、誰と並んでもおかしくない程の美形と美人達だ。 「ああ、悪い。今行く。君、本当にすまなかったね」 「あ、いえ。俺の方こそすみませんでした」

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