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第15話

昼休みの屋上。 俺と日比谷先輩と相羽は今日も屋上で昼食をとっていた。 そして、今日はもう一人。 相羽を後ろからぎゅうっと抱きしめる態勢で俺に疑いの視線を向けている隆一の姿があった。 「あのなぁ、隆一。そんなに警戒しないでも、あれは芝居だったんだって言っただろう?」 俺の言葉に、むうっとした表情を向けてくる隆一を見ているとわんこ系に見えてくる。 そうじゃないことは、昨日しっかりと確認したけれど。 「だけど、こうして一緒に飯食ってたんだろ?」 「だからそれは作戦会議の為であって、そもそも日比谷先輩もいたから二人っきりでもないし」 「だよね」 「そういう事だ。というか、お前はいつまでこの大勢でいるんだ。離れろ」 「えー…」 ぺしりと腕を相羽に叩かれて、不満そうな声を上げつつも隆一は腕を話して相羽の隣に座りなおした。 成程、主導権は相羽の方にあるらしい。 まぁ、夜の主導権は隆一の方にありそうだけれどな。 いや、待てよ。 相羽の襲い受けや誘い受けというのも美味しいな。 なんて考えるとにやけそうになるのを堪えながら、そうだ、と俺は昨日のフィルムを二人に差し出す。 「これ、どうする?捨てるなら焼却炉に持っていくけど」 「勿論。捨ててくれ」 即答する相羽に隆一は勿体なさげな声を上げる。 「でもそれ、聡の姿も映ってるんだろ?キスするとき目を閉じてたから聡がどんな表情だったか見られなかったし、見てみた…むぐっ!?」 「もうお前は黙って食ってろ!」 言いかけた言葉は相羽によっておにぎりを口に突っ込まれ塞がれる。 その様子を見て、日比谷先輩がくすくすと笑みをこぼす。 「ふふ、仲がよくて微笑ましいよね」 「そうですね」 「ど、どこがですか!?」 「だって、なんだかんだ言ってる割には榊君から離れないしさ」 「そ、それは…場所が狭いですから仕方なくです」 「成程、これがツンデレか」 瞬間、キッと相羽に睨まれる。 おっとしまった。 つい、心の声が出てしまった。 でも、赤い顔で睨まれてもあまり迫力はないよな。 「あ、悠斗。今聡のこと可愛いと思っただろ?」 「いや、思ってないから」 すかさず反応した隆一に俺は苦笑しつつ答える。 どうも、隆一は独占欲が強いらしい。 まぁ、昨日聞いた話からすると、相羽が隆一への気持ちに気づくよりももっと前から相羽の事が好きだったみたいだからな。 漸く想いが通じた相手の事が好きな気持ちを抑えられないのも理解できるけれど。 むしろどんどん独占欲出してくれてもいいけれど。 俺に対する誤解だけは解いておいて欲しい。 俺は恋愛はする方じゃなくて見る方なんだから。 後は妄想するほうだな、うん。 別に恋愛恐怖症とかではないけれど、可愛い子を見ても好きになることもなかったし。 自分が恋愛している姿っていうのが全く持って想像できない。 「高松君にもいつか運命の恋が訪れるかもね」 考えんでいる俺に気が付いたのか日比谷先輩がそう言ってくれる。 「運命の恋、ですか」 「うん。相羽君に榊君がいるように。誰にでも運命の恋をする相手がいると僕は思うんだ」 「それなら先輩にも運命の恋が訪れるかもしれないですね」 「僕?僕はいいんだよ。見ているほうが好きだから」 「あ、それなら俺だって見ているほうがいいですよ」 「高松君はまだ若いのにそんなこと言ってたら駄目だよ」 「って、先輩だって一つしか変わらないじゃないですか!」 「あはは、そうだったね」 そう言って楽しそうに笑う日比谷先輩にやれやれと肩をすくめた時だった。 ガチャリと音を立てて屋上の扉が開いたのは。

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