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保健室

次の日学校に登校するも、なんだか昨日の疲れが抜けないのか身体中が怠く感じる。 「先生 休ませて。今日は俺ダメダメ……疲れが取れなくってさ」 保健室に入ると高坂先生が「ここに座れ」と椅子を叩いた。俺は真っ直ぐベッドにダイブしたかったのに、呼び止められてしまって渋々先生の前に座る。 「なに? 先生、俺寝たいんだけど」 「だめ。ちゃんと顔を見せて」 いつも当たり前にベッドで寝るけど、顔色くらい見させろと少し怒られてしまった。 先生は医者みたいに俺の顔を両手で挟み、親指で目の下を引っ張り覗き込む。 どうでもいいけど顔……近い。 「はい、今度はアーンして」 「………… 」 心なしか楽しそうにも見える先生に、もしかしてふざけてるのかな? と不審に思った。 「なんのプレイだよ、先生」 「ふふ……志音くん、久しぶりだね。お仕事忙しかったのかな?」 本当に横になりたいんだけど、先生離してくれないし楽しそうだから、しょうがないから少し付き合う。 「ん、ちょっとね。でも出席日数やばいみたいで今日親呼ばれてんだよね」 そうなんだよ。今日は真雪さん来るんだったっけ。 一瞬 先生の顔が険しくなった。 先生の表情に俺はハッとする。俺、ちゃんと話してないもんな……きっと勘違いしてるだろうと思い、俺は続けた。 「先生? 今の俺の親になってくれた人達は凄いいい人だよ。俺にちゃんと居場所くれた大事な人」 簡単にそう伝えると、先生は真剣な顔で黙って俺を見つめた。 「………… 」 これはちゃんと話した方がいいのかな。ていうか、先生はきっと気になってるだろうな。 そんな心配そうな顔すんなよ。 「先生、今晩 俺んち来れない? 生徒の家がまずかったら悠さんとこでもいいから……会えないかな?」 「……そんなストレートにお誘いされるとは思わなかったぞ」 いや…… そうじゃないだろ! 先生がそんな心配そうな顔してるから話しようとしてんじゃん。 話の流れで察しろよ…… ま、いっか。 どのみち今夜あたり悠さんのところに行こうと思ってたし。 「まぁいいや。俺 今夜は悠さんとこ行くし、気が向いたら来なよ」 そう言って俺は教室に戻った。 教室に戻るとにこにこと竜太君が話しかけてくれる。 ほんとに竜太君は優しい。 俺はフラれたことも忘れ、再度その笑顔に見惚れてしまう。そして、竜太君には最強の彼氏がいた事を思い出し少し凹んだ。 きっとしばらくはこんな感じなんだろうな。 でもちっとも嫌な気持ちにはならないから不思議だ。 楽しそうに話している竜太君を眺めながらそんな事を考えていると、呼び出しがかかった。

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