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感謝と反省

呼び出しがあり校長室に呼ばれる。急いで向かうと真雪さんが既に来ていた。 「こら!遅いっ」 小声で真雪さんに怒られ、校長室に入った。 中には校長先生と担任、学年主任の先生がずらりと待ち構えていた。ちょっとした威圧感に緊張してしまう。真雪さんを見ると、深々とお辞儀をして「いつも志音が大変お世話になっております」と丁寧に挨拶をしていた。 真雪さんと俺は座るように促され、校長先生の前に腰を下ろす。 ここの学校の校長先生はとても優しそうな初老の男性。普段もにこにこと校舎を歩いている姿を見かける事がある。ちゃんと生徒を見守っているのがわかる、とても雰囲気のいい先生だ。 「本日お忙しいところをお呼びしましたのも、出席日数の件と彼の仕事の件について少しお話をしたくて来て頂いたわけなんです」 予想通りの呼び出し理由に、ちらっと真雪さんを見る。これは全て自分の責任だ……真雪さんは何も悪くない。 校長先生の話をまとめると、今のペースで学校を休むと間違いなく出席日数が足りなくなり進級は望めない。登校して来ても授業に出なければ同じ事なのでサボらないように……という事。それに授業をサボるのは仕事が忙しくキツいからなんじゃないのか、という事だった。 仕事はちゃんと真雪さんが配分を考えて手配してくれている。夜になる仕事だって、制限ギリギリまでなんて絶対入れない。余裕を持った時間枠で終わらせるようにきちんとしている。 そりゃ多少疲れもするけど、決してしんどいことをさせられてるわけじゃない……真雪さんは俺の学校生活に支障が出ないようにちゃんと考えてくれている。 学校をサボるのは単なる俺の怠慢だ…… 真雪さんはしっかりとやってくれてるのに、俺のせいだ。真雪さんに悪い事をしたと申し訳なくなった。頭を深くさげ、何度も謝る真雪さんを見て俺はいたたまれなくなった。 「……でもね、私は志音君を応援してますよ。ファンですから、これからも頑張って活躍してくださいね」 校長先生が俺と真雪さんに優しく微笑みながらそう言った。真雪さんは更に頭を下げ、丁寧にお礼を言う。頭を下げながらちょっと嬉しそうな顔をしている真雪さんを見て、俺も嬉しかった。 応援してくれる人のため、真雪さんのためにも俺はちゃんとしなくちゃいけないな、と気持ちを引き締める。 そして帰宅後、俺のマンションで待ち構えていた真雪さんにこっ酷く怒られ、しばらく俺は立ち直れなかった。

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