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初めてじゃないのに…

長く長く、お互いの舌を絡め合いながらキスを交わす。 この前も思ったけど、先生はキスが上手い…… 蕩けるって、こういう事をいうんだな……なんて、ボーッとする頭で考えた。キスしているだけなのに、もう腰の辺りからむずむずと快感が駆け抜ける。 甘い吐息とともに唇が離れるのを感じ、もっとして欲しくて先生に縋った。 「もっと……先生」 自分から求めるように顔を寄せる。そんな俺を優しい目で見つめながら先生はもう一度軽くキスを落とし話し出した。 「なあ志音……さっきみたいなのはやめてくれ。俺には強がったり試すようなことはしなくていいから。ヤキモチは嬉しいけど、わざと知らんぷりされるのは……やっぱり辛い」 そう言って俺の涙を指で拭ってくれる。 さっき俺が先生のこと無視して素通りしたの気付いてたんだ…… 「……俺だって自信がないんだよ。いつも志音に嫌われるんじゃないかって怖いんだ。な? だから俺の前では素直で可愛い志音でいてほしい」 俺ばっかり、先生のことを好きなんだと思ってた。 先生も同じだったんだな。 なんだか嬉しい。 「うん、ごめんね。俺、先生大好きだよ。心配しないで……だから、早くキス……してよ」 そう言って俺は先生の頬を両手で挟み唇を重ねた。 さっきよりも深く深く、先生の舌が俺に入ってきて緩々と絡まる。腰に回した先生の手がゆっくりと俺の体を這い始めた。 なんだこれ……ゾクゾクする。 気持ちが良くて力が抜けてく。 先生はキスをしながら俺に体重をかけてくるから堪えられなくなり、そのまま押し倒されてしまった。 「……んっ、う……んんっ…… 」 ドキドキして、気持ちが良くて、勝手に声が漏れてしまい恥ずかしかった。俺の首筋にも啄むようにキスを落とし、指先がシャツのボタンを外していく。 直接肌に触れる先生の手が気持ちいい。 「あ……あっ…… 」 「ん? 志音、ここ……気持ちいいの? 可愛い声出たね……」 好きな人に触れられるのって、こんなにも気持ちいいんだ。 先生は俺の胸に唇を押し付け、ゆっくりいやらしく舌を動かす。 「ひぁっ……あっ……やっ…… 」 恥ずかしいし、また涙が出そうになるからもうやめてほしい。先生の肩に手をかけ俺は体が強張るのを堪えた。 「志音……もしかして怖い?」 怖いのかどうか、正直よくわからない。 好きな人に触れられるのが こんなに気持ちいいなんて知らなかったし、さっきからドキドキして胸が苦しい。 「こういうの、俺 初めてじゃないのにな……でも初めてみたいにドキドキするんだ」 俺がそう言うと、ふっと笑った先生が俺を抱きしめた。 「志音は俺を煽るのがうまいな……やめられなくなるから、もう煽るなよ」 そう耳元で囁く先生の声にもぞくぞくしてしまい、どうしようもなく吐息が漏れた。

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