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初心な恋愛

あっという間にペロッと食べ終えた先生は、まだ食べ終わってない俺の顔を見ながら話し始めた。 「……志音はさ、まだ高校生だろ?」 今更改まって変なの。話を聞きながら、俺は何となく食べるのを続ける。 「俺さ、一応先生だし……大人だし、お前の事 大切に思ってるし…… 」 急に歯切れ悪くもじもじと話す先生に、思わず俺は顔を上げた。目の前には何か言いたげに頬を染めている先生の姿。 ……何? そんな顔して。 あまり見たことのない初々しい表情に、俺までなんだか恥ずかしくなってくる。 「俺なんかがイヤらしく志音に触れていいのかな…… 」 「……?」 イヤらしくも何も、スケベなことしてんじゃん。 「先生酔ってる? それ今更だろ……俺すでにめちゃめちゃ触られてんじゃん」 散々二人でいやらしいことしてきたよな? 突然の先生の発言にびっくりだし、ちょっと面白かった。 「あ……それもそうなんだけど……我慢できなくて。あとさ、俺さ……その、なんだ? ……好きになった人とちゃんと付き合ったことがないんだよ」 恥ずかしそうに俺から目を逸らす先生に、あぁ、きっとこの事を伝えたかったんだなと気がついた。 「志音の事好きすぎて、俺なんかが抱いていいのか……実は怖いんだよ」 さっきまでの大人でエロい先生はどこにもいない。 目の前にいるのは俺と同じ初心(うぶ)な高校生みたいだ。 「先生? 俺も一緒だよ。愛のあるセックスはしたことがない……だから俺…ちゃんと先生に抱いて欲しいと思ってるよ。初めてだから……」 自分で言ってて恥ずかしくなった。 くるくるとフォークの先に纏わりつかせ一向に口に運ばれていないパスタを、照れ隠しじゃないけどもぐもぐと口に入れ頬張る。 「抱いてもらいたい」とか、俺ってば何言っちゃってるんだろう。 「……志音」 まだ俺食べてる途中なのに、突然横から先生に抱きつかれてしまった。 「ちょっと……ちょっ……おいっ、まっ……待って 」 先生は俺に抱きついたそのままの勢いで、テーブルの横で俺を押し倒す。 先生の顔が近づいてきて、俺は慌てて口の中のパスタをゴクンと飲み込んだ。 あっという間に唇を塞がれ、先生の舌が俺の中に入ってくる。 「んっ……んん」 キスだって初めてじゃないけどタイミング…… 突然の事に動揺を隠せなかった。息苦しさに俺は覆い被さっている先生の肩を必死に押した。 「んはっ!……もう! 急になに? いきなりガッつかないでよ。先生、言ってる事とやってる事がハチャメチャだよ!」 「だって志音がめっちゃ可愛いこと言うんだもん……堪んない」 何このギャップ。歳は離れているけど、言動がまるで高校生じゃん。 「先生、もしかして馬鹿だろ?……いいよ、あんまり色々考えんなよ。いつもの先生でいいんじゃね? 大人だからとか、そういうのもやめてよ。俺だって、まだ高校生だからって理由でお預け食うのは嫌だよ。先生とエッチしたいし……」 半分呆れて先生にそう言うと、先生の目付きが変わりどきりとした。 「ごめんな、こんな俺で……志音ありがとう」 「はぁ? 何言ってんの? そのまんまの先生を好きになったんだからいいんだよ……でも、あっ……あ、やっ……待って、これ食ってシャワー浴びてから……にして先生。んっ……お願い、ちょっと待ってってば」 喋りながら、俺の服の中に手を忍ばせ腰の辺りを弄る先生の手をなんとか退かして、俺は残りのパスタを頬張った。

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