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俺は狡い…

志音の手をマッサージしながら、クリームを塗る。 風呂上がりで少し赤く火照った肌が妙に色っぽかった。 志音の手の平、指の一本一本を体中を愛撫するかのように丁寧に摩る。頬を赤く染め、志音の息が荒くなっていくのを俺はジッと見つめる。志音はそんな自分に気づいているのか……艶っぽい瞳で俺を見た。 志音の両手を包み込み、お互いの手の平を合わせながら、俺は指を絡めて志音の手を捕まえる。 「捕まえた……」 そう言って、潤んだ志音の目を見据えるとそのままソファの背もたれへ両手を押し付け、志音の動きを封じるように拘束する。 ゆっくりと志音の首筋に顔を埋め、火照ったそこに小さく吸い付く。痕を付けたい衝動に駆られたけど我慢し、首筋から耳元へキスを這わした。呼吸の荒くなっている志音の顔を盗み見ると、赤い顔をしてキュッと目を瞑っている。そんな姿が愛おしすぎて、感情が昂り泣きそうになった。 軽く唇に触れるだけのキスをする。 チュッ…… チュッ…… 確かめるように、ゆっくりと何度も何度もキスをした。 容易に感情に流されていくのがわかる……本当にいいのか? 僅かな良心が自分の中で問いかけてくる。 潤んだ瞳で俺を見ていた志音に俺は改めてもう一度聞いてみた。 「……本当にいいのか?」 聞いたところで答えはもう分かっている。俺は狡い……分かった上で聞いているんだ。 恥ずかしいのか、少し目を逸らして志音は小さく頷いた。志音が頷くのを確認すると俺はまたその愛しい唇に自分を重ねた。 今度はゆっくりと舌を侵入する。志音も嫌がることなくそれに応えてくれた。繋いでる手にキュッと力が入る。ドキドキして胸が苦しい。キスをしながらそっと志音を見ると、その綺麗な瞳と目が合った。 もう止められない── 俺は堪らなくなり、志音の膝下へ手を回すとそのままソファから抱き上げた。 「え? えっ? 先生? ちょっと…… 大丈夫? 嘘だろ?」 俺より背丈のある志音だけど、軽いから楽勝。思いがけずお姫様抱っこをされた志音は驚き、真っ赤な顔をして慌てて俺にしがみついた。 リアクションが一々可愛い。 寝室のベッドに志音を下ろし、逃げられないようにそのまま志音に覆い被さる。スウェットに手を滑り込ませ直接肌に触れると小さくビクッと反応した。 「んっ……あっ」 滑り込ませた指先に触れた小さな突起をかるく抓ると、志音から可愛い声が漏れた。

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