85 / 165
ピロートーク
「おい……志音? 大丈夫か?」
目を開けると目の前に先生の顔。心配そうな顔をして俺の頬を叩いている。
「あ……先生……なに?」
俺が言うなり先生はデレっとだらしなく笑った。
「先生……気持ち悪い。どうしたの?」
さっきまでのエロ全開の艶っぽい先生は何処へやら、デレデレとした先生に思わず心の声が飛び出してしまった。
「なんだよ、気持ち悪いはないだろ! 志音大丈夫? 少しトンじゃった?」
「え……嘘。俺……え? ほんと?」
少し前の事を思い出し、顔が熱くなる。気を失っていたと言うのは言い過ぎだけど、それでも最後の方は気持ちが良すぎて我を忘れた。こんな事初めてで、恥ずかしすぎる失態……
あんなに激しく先生に突かれながら扱かれて、気持ちよすぎて気が狂いそうになった。
で、俺……イったんだよな?
そんなことすら曖昧になるほど快感に支配されるなんて、本当にどうかしている。
「先生……凄すぎ……やだっ、なんか恥ずかしい! 怖い!」
俺の横で肘をついて覗き込んでる先生がそんな俺を見ながら笑っている。
「志音が気失ってたの少しだし……俺、そんなに凄かった?」
凄いなんてもんじゃない。少し触れられただけで泣きそうになるくらい気持ちよかったし幸せに感じた。
「先生……かっこよかった。ヤバいくらい気持ちよかった……」
俺は素直にそう伝え、恥ずかしさを誤魔化すために先生にギュッと抱きついた。先生の胸に顔を押し付け顔を見られないようにする。
「あんな気持ちいいの……俺初めてだ。先生エロ過ぎなんだよ……」
「それ、褒めてくれてる? でも、もっと色んな事したかったんだけど……俺も志音がよすぎて全然もたなかったわ」
俺の頭を撫でながら言う先生のセリフにドキドキする。
色んな事ってなんだよ。もう十分すぎる。
「ねぇ、先生? ……その、えっとさ……俺後半もうよくわかんなくなっちゃってたけど……先生はちゃんとイケたの?」
俺ばかりガンガン突かれて気持ちよくさせられて、先生は俺で満足出来たのかな。与えられてばっかりで、先生に気持ちよくなってもらおうなんて余裕が全くなかった。
「俺で満足、ちゃんと出来た?」
心配になって先生の胸から顔を上げて聞いてみた。気のせいか少し先生の顔が赤くなるのがわかった。
「大丈夫だよ。志音の後にちゃんとイったよ……証拠ならほら、そこのゴミ箱に」
そう言って笑うと、俺の頬に手を添えて軽くキスをしてくれた。
「志音はさ、それは天然なのかな? いちいち可愛くて俺ヤバいんだけど……」
それって何の事だろう? 可愛いばっかり言われてちょっと抵抗を感じる。返事に困っていると、先生の手が俺の尻を撫でるもんだからビックリして思わず睨んでしまった。
「もう、やめて! エロ」
「だってさ、志音可愛いし、肌スベスベだし……毛も薄いし……尻の穴まで可愛いし……」
せっかくかっこいいと思っていたのに、こんな変態みたいな発言されちゃ調子狂う。俺のこんな思いなんて御構い無しに先生は楽しそうに俺の体にキスの嵐を浴びせてくる。
「それだけ志音の事が可愛くて大好きなんだよ。俺、何時間でもこうして抱きついていられるよ」
恥ずかしくて見てらんないくらい目尻を下げた先生が言い切った。
……俺だって
何時間でも先生の胸に抱かれていられるよ。
こんなに居心地が良くて安心出来る場所は他にはないもん。
ともだちにシェアしよう!