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体育祭練習始まる

文化祭が終わり、もうじき体育祭。 俺は撮影のせいで体育祭には参加出来ないけど、どうせ男子校の体育祭だし適当なんだろう……なんて思っていた。 体育祭まであと一週間を切ると、休み時間や放課後にジャージ姿で練習をする生徒が目立ち始める。 今日も放課後、先生のいる保健室でのんびりしていると、膝を怪我して流血している竜太君が保健室に来た。 竜太君、ジャージ姿だ。 運動部だったっけ? 不思議に思い聞いてみると、違うと言う。 だよね? 確か美術部だったはず。それに竜太君はお世辞にも運動が好きそうには見えなかった。わざわざ練習をしていることが不思議でならない。 俺の思っていることがわかったのか先生が説明してくれた。 「ここの学校、体育祭凄い盛り上がるんだよ。だからみんな一生懸命練習するの。竜太君もそれで怪我したんでしょ?」 竜太君は先生の言葉に頷く。騎馬戦の練習をしていて騎馬から落っこちたらしい。 「えー? たかだか体育祭で? そんな練習なんてすんの? マジ? 放課後に? 面倒くさくね?」 自主的に練習だなんて驚いて思わず言ってしまった。 「しょうがないよ、これは毎年恒例。あ、今年はどうかな? 僕まだ詳細聞いてないんだよな……」 こんな光景が毎年恒例だってことに更に驚く。でも詳細って何のことだろう。 そんな話をしているとガラガラと勢いよく扉が開き汗だくな周さんが保健室に入ってきた。 周さんがジャージ姿で汗だく。信じられないこの光景。 周さんは竜太君を見るなり血相変えてとんで行き、どうしたのか聞いていた。 竜太君が体育祭の練習をしていたとわかると思いっきり機嫌を悪くし、練習なんてしなくていいと言って周さんは怒り出す。 なんだろなぁ……変な感じ。 周さんは先生にも突っかかって、相当機嫌が悪そうだった。 「志音くん、ちょっと僕出るから誰か来たら留守だって言っといて」 周さんも体育祭に参加するとわかった先生はそう言うなり保健室から出て行ってしまった。周さんもチッと舌打ちしながら先生の後に続き出て行った。 周さん休憩しに来たんじゃなかったのかな? 変なの……

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