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ごめんね
結局俺はまた保健室に戻った。
ドアを見ると外出中の札は外されていた。ちょっと気まずい気持ちで扉を開けるも先生の姿は見えなかった。
あれ?
先生どこか行っちゃったかな?
俺は入り口で立ち止まったまま、先生の姿を目で探した。
ふと、さっきまで俺が寝ていたベッドのカーテンが半分閉まっていることに気がつきそっと覗いてみると、白衣を着たままの先生が横になっていた。
……先生が寝っ転がっててどうすんだよ。笑いそうになるのを堪え、寝ている肩を軽く叩いた。
「いつまで寝てんの? 俺が寝るからどいてよ」
あぁ……
普通に言ったつもりが、またキツい口調になってしまった。シュンとした先生がのそっと起き上がり「ごめんな」なんて呟いて机に向かった。
もう先生、俺に弁解しないんだな。
向こうを向いたっきり俺の方見てくれないや。
俺、ガキみたいに拗ねててゴメンね、先生。
「……先生?」
謝ろうと思って先生の背中に声をかけると、バッと振り返った先生がベッドに腰掛けた俺の方へすっ飛んできた。
俺の前に両膝をついて、真面目な顔で俺を見つめる。
「志音……俺はどうしたら許してもらえる?」
俺の両手を握る先生の手が汗ばんでる。
許すもなにも……もう許してるし。
「別れる……以外なら俺は何でも言うこと聞くから、許して」
「先生……」
こんなに必死に許しを請う先生……
ゴメンね、俺もう怒ってないから。
俺はそっと先生の頬に口付ける。
「今日も俺んち来て。泊まってって。今夜だけでいいから先生を俺の好きにさせて」
何でも言う事を聞くからと言う先生の言葉に、俺はちょっと甘えてみた。
「わかった。仕事終わったらすぐに部屋に行くから……待っててね」
先生が俺の額にキスをする。
俺はもう教室には戻らず、満足した気分で家に帰った。
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