113 / 165
バスルーム
自分で風呂の準備をして、俺が先に入った。
ほんとはさ、先生が来る前にシャワーは済ませてたんだよな。
でも今度はゆっくり湯船に浸かって温まるのもいいよね。
先生と一緒にだと、すぐに逆上せてしまいそうだけど……
既に顔が熱くなってる。やだな、困ったな、なんて考えていたらすぐに先生が入ってきてしまった。突然何も言わずに入って来るからびっくりした。
軽くシャワーを浴びた先生は「ちょと詰めてね」なんて言いながら俺のことを押しやりながら湯船に体を滑り込ませる。
うちの風呂、そんなに広くないんだよな。案の定、先生が狭い中に入って来るから俺の後ろにピタッと密着するような体勢になってしまった。
きっと竜太君や圭さんみたいに細かったり小さかったりすれば、こうやって入るのも収まりがいいのかもしれないけど……
俺らは二人共体はデカい。考えなくても初めからわかりきったことだった。
「先生? ……狭いね。って、何? 何黙ってんの?」
さっきから先生は何も喋らないから俺は気になってしょうがない。
「あ、いや、志音ってほんと肌も綺麗だよなって思ってさ、見惚れてた。ほら、だんだん桜色に染まってく…… 」
指先で俺の背中をつぅっとなぞるもんだから、ビクッと仰け反ってしまう。
「ん……何すんだよ。やめてよ…… 」
先生は、指先で俺の背中や腰の辺りをなぞりながら、頸にキスまでしてくる始末。
「ん……やだ、擽ったいってば…… 」
後ろから俺の腹に手を回して、緩りと撫で回す先生。擽ったいなんて言いながら、俺は段々と変な気分になってしまった。
「志音はいい体してんな」
さっきから撫で回されて、嫌でも息が荒くなってしまう。
音が反響して自分の吐息でさえはっきりと耳に聞こえ、恥ずかしくて逃げたくなった。
「せ……先生、あ……あまり触らないで。恥ずかしい ……から 」
ビクッとしてしまう体を縮こまらせながら、振り返り先生に訴えた。
「感じちゃって困ってる志音が見たくてわざとやってんだよ」
「………… 」
先生に言い返せないでいると、チュッと唇を奪われる。ハッと我に返り、俺は慌てて少し先生から離れた。
クスクスと笑いながら先生は湯船から出る。恥ずかしさと暑さで頭がぼーっとしてしまった。
「志音も逆上せるだろ? 背中流してよ。俺の体、洗って」
そう言って椅子に座り俺を見つめる。そんな色っぽい目で見ないでほしい。俺だけ欲情してるみたいでどうしたらいいのかわからなくなっちゃう。
「志音はもう綺麗にしてんだろ? 俺が来る前にシャワーは済ませてるよな?」
……え?
「なんでわかったの?」
「最初に抱きしめた時いい匂いしたからさ……準備して待っててくれたのかと思って嬉しかった」
「そっか……」
お見通しだったのが恥ずかしい。でも俺は先生の後ろに膝をついてその背中にそっと触れた。ボディソープを手のひらで泡立てる。
「えっと……手で?」
先生は頷くから、そのまま泡を先生の背中に撫でつけ洗い始めた。
「俺の体、いい体だって褒めてくれるけどさ、先生も相当いい体してるよね。ちゃんと腹筋割れてるし……鍛えてるの? 程よい筋肉がかっこいいよ」
俺がそう褒めると、先生は嬉しそうに振り返り笑ってくれた。
なんだよ、可愛い……
「志音、こっち」
ギャップが可愛いな、なんて思っていたら「前に来い」と言われてしまった。
「こっちも早く洗って……」
先生に見つめられ、ドキドキしながら俺は胸の辺りに泡を撫でつける。どうしたって先生の足の間のそれが目に入り、目のやり場に困り顔を逸らした。
「先生の、勃ってるし……」
フッと笑いながら先生は俺の頭を抱え、ぐっと引き寄せキスをしてきた。
「そりゃ勃つさ」
先生はそう言うと、更に激しく舌を絡めた。
ともだちにシェアしよう!