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拘束

またやっちまったと自己嫌悪。 志音は仕事で疲れてるだろうに……特に今日の仕事は嫌そうだったから、尚更気が張って疲れてるんだとわかっているはずなのに。 あんな可愛い反応してくれるんだもん、俺は我慢できなかった。 今日は顔見て元気付けるだけって思ってたのにな。自分の甘さが嫌になる。年中発情期な高校生かよ……てか志音だって高校生じゃん。 シャワーを浴びに行った志音を待ちながらそんな事を考え、自分でバカみたいだと思って可笑しくなって笑ってしまった。 そんな時にドアが開き、バスローブ姿の志音が戻ってくる。 あぁ、また濡れ髪が色っぽいこと…… 「あれ? 陸也さん、なんで服着てんの?」 なんとなく志音の雰囲気が違って見えた。 「あ……志音さ、今日は疲れてんだろ? ごめんな。俺すぐヤリたくなっちゃってガキみたいだな」 そう言って笑ったけど、志音はあまり表情を変えなかった。 「陸也さん、こっち来て…… 」 志音はベッドに腰掛ける俺を通り越し、枕元に座ると俺を手招きする。 俺は言われるがまま、志音に近付き隣に座った。 澄んだ瞳で俺をジッと見つめる志音。なんだろう? と不思議に思う間も無く優しく志音にキスをされた。 ……なんだ? ゆるりと俺の舌を舐り、顔を見るとすぐに唇は離れていき、志音は静かに俺に言った。 「陸也さん、ちょっと両手貸して……」 訳がわからず、いつもの様子と違う志音に戸惑いながら、俺は両手を差し出した。 志音は後ろを向き、ヘッドボードの棚の引き出しから何かを出してる。 「?」 志音が振り返ると、カチャリと俺の手首に何かが触れた。 「え? 志音? これって……?」 さっきまでの無表情がスッと無くなり、いたずらっ子のようにニコリと笑う。 可愛い……じゃなくて! 「志音、なんでこんなことする?」 俺の手首には革製の手錠がかかっていた。 なんでこんなもん志音が持ってるんだよ。俺のそんな疑問もよそに、志音は可愛い笑顔で俺に言った。 「いつも陸也さんが俺をよくしてくれるから……今日は俺が陸也さんをよくしてやるよ。手錠は、すぐに陸也さんペースにされちゃうから……それを阻止するため……ダメ?」 上目遣いで「ダメ?」なんて言われちゃ…… 「わかったよ、好きにしろ。そのかわり、満足させてくれんだろうな?」 わざと強い口調で言ってみると案の定、志音の瞳が潤んで息が荒くなってくる。 少し強引に攻められる方が好きなくせに…… 「もう……そんな怖い顔して言ったってダメだからね…」 そう囁くように耳元で言われ、ゆっくりと俺は志音に押し倒された。

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