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報復…の顛末

俺の事が好きだと言う変態じみたこの三年に上に乗られ、ズボンを下ろされ身動きが取れない。 下着の上からそいつは俺の中心部に軽く噛み付いてきた。 虫唾が走る…… 「ねぇ、どう? 気持ちいいことしてあげるから、そんなに睨まないでよ。すぐによくなるって」 そんな事を言いながら、下着の裾から手を突っ込んできた。 手の平でやんわりと触ってくるのが猛烈に気持ちが悪い。 「うわぁ…… なんか嬉しいなぁ。志音君の大事な所、直接触れることが出来るなんて。ねえ、僕がお口でイかせてあげようか? 」 「やめろ!……やだ!」 何でこんなことになってんだよ。先生以外の奴なんかに触られたって気持ちいいわけがない。 とうとうそいつが俺の下着を脱がせようと手を掛けてきたその時、倉庫の奥から誰かが顔を出した。 「ねーねー、何してんの? お楽しみ? ……あれ? びっくり、四人もいる〜。ん? もしかして同意じゃないの?」 この声…… 「お前、邪魔すんな!」 聞き覚えのあるその声にちょっと安心した矢先に俺の手を押さえてた奴がその声の主の方へ移動する。 やっと手が自由になった俺は、下着を下ろそうとしている奴を殴り飛ばした。 「痛っ…… 」 俺は殴った拳を摩りながら、足に巻きついている紐を解く。 「およ? 誰かと思ったら志音君じゃん! 大丈夫? ヤられてた?」 「………… 」 呑気な声をあげてそこにいたのは修斗さんだった。 修斗さんは喋りながら、殴りかかっていく先輩を軽くかわしてその伸びた腕を捻り上げる。 「てててててっ!……やめろ! 離せっ!」 「なに? 情けないね。軽く掴んでるだけじゃん……じゃ、離してあげる」 腕を離した瞬間に、股間に蹴りを入れ頬を殴りつける。流れるようなその動きに、俺は驚いて言葉も出なかった。なんなのこの人。ちっとも強そうな感じしないのに、めちゃくちゃ強いじゃん。 悶絶して屈み込んだ先輩を蹴り飛ばしたら、もう一人の方へ歩み寄り、そいつを睨んで胸ぐらを掴んだ。 「なぁ、大事な友達なんだよ志音は…… 何してくれてんの? ぶっ殺されたい?」 さっきまでのヘラヘラした顔から一変して怖い顔になる修斗さん。 あんな顔、初めて見た…… 「あ、お前……二年の谷中か? 」 怯えた顔で修斗さんを見るその先輩は、急に逃げ腰になった。 「なんだよ、呼び捨てにすんなや……はい谷中ですけど何か?」 「悪かった! 離せ……もう手ぇ出さねぇからさ!」 「………… 」 「謝んなら志音に謝れよ。土下座してさっさと消えろ!」 修斗さんが怒鳴ると、慌ててその先輩は俺の前で土下座する。俺が殴り飛ばした先輩も、後ろで土下座して頭を下げていた。もう一人はまだ動けないみたいで、蹲ったまま悶絶しているようだった。 「大丈夫? ヤられてない?」 急に優しい顔に戻った修斗さんは俺の顔を覗き込み、心配そうに俺の体を摩ってくれる。 「ありがとうございます……てか、出てくるの遅いです」 俺は服を整えながら修斗さんにちょっとだけ文句を言った。だって最初からそこにいたんなら出て来てくれればよかったのにさ。 「あはは、だって俺寝てたんだよ。気づかなかったよ。ごめんね」 ケラケラと笑い、修斗さんは俺の手を引いて体育館を出た。 「あの……どこに?」 「え? 保健室でしょ? ……志音君、怪我してるし。 ここ…… さっきチラッと見えた。酷い痣んなってるし、一応診てもらったほうがいいって。あと、休んどきな」 「っ痛!」 修斗さんは俺の脇腹を軽く突いた。 どうしよう。 ……先生に心配かけちゃうのやだな。 でも黙っててもわかることだし、しょうがないか。 俺は観念して修斗さんと保健室に向かった。

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