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心配だから
俺が先輩達に襲われたその日の夜、先生は俺の家に来てくれた。
俺は仕事だったから合鍵を使って先生が先に部屋にいて、俺の帰宅に合わせて夕食を作ってくれていた。
玄関に入るなり、いい匂いがしてきて凄く幸せな気分になる。そして「ただいま」と俺が言うと大好きな声で「お帰り」って返ってくるのが嬉しくて早足でリビングに向かい、俺はキッチンに立つ先生の所まで駆け寄った。
「陸也さんっ、何作ってんの? 凄いね! 料理出来るんだ!」
俺は先生の背中に抱きついたままそう聞くと、鍋の中を覗き込んだ。
美味しそうな煮物が入ってる。
「へえ、なんか意外! 陸也さんが煮物って! レベル高くね? 凄い美味しそうな匂いしてるし。早く食べたい!」
「はいはい、じゃぁ手洗いとうがいちゃんとできたら飯にしよっか?」
先生に言われた俺は、そそくさと洗面所へ行き手洗いとうがいを済ませた。
テーブルに戻ると、すでにそこには焼魚とさっきの煮物、豆腐の味噌汁とサラダが並んでいた。
「なんだこれ! すげぇな。ちゃんとした夕飯だ。しかも和食」
「当たり前だろ。ちゃんと食えるの作ったよ」
先生がそう言って笑う。
いや、そういう意味じゃないんだけどね。
「いただきます 」
両手を合わせて陸也さんに感謝して、俺はもりもり食べ始めた。
しばらく黙って食べていると、先生が見てるのに気がついた。
「ん?」
「いや、美味しそうに食べてくれて嬉しいなって思ってね。おいし?」
「うん! 凄え美味しいよ。ありがとう」
嬉しそうな先生。
……相変わらずかっこいいな。
「なぁ、志音。学校であんまりツンケンすんなよ。チヤホヤしてくる奴ばっかじゃねえんだから。今日みたいなのがまたあったら……たまったもんじゃない。ムカつくだろうけどさ、喧嘩売るような事しないでくれ。心配なんだよ。俺からのお願い」
「ごめんね、陸也さん。そうだよね。心配かけちゃったね。うん、気をつけるよ。ありがとう」
食事を終え、食器を片付ける。
先生は洗い物をする俺の後ろにピタッとくっつき、首筋にキスをする。
「もう、何? やめてよ、手元狂うでしょ。皿割ったらどうすんだよ」
ゾクゾクするのを我慢しながら文句を言うと「身体検査の続きは?」と俺の耳朶を甘噛みしながら囁いた。
「あ……もぅ…… 」
先生エロいよ。
少し無視して洗い物を続けてると、先生の手が前に回る。俺を後ろから抱きしめるように両手を回してくると「なあ、キスしてくれないの?」なんて艶っぽく囁く。
もう……
振り向こうとしたら先生に顎を掴まれ、強引に唇を奪われた。
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