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あの土曜日の真相は…

せっかくのドライブデートだったのに、真雪さんからの緊急電話で台無し…… 土曜のすっぽかしの件でも先生に嫌な思いさせちゃってるのに、今日だけは何としてでも先生と一緒にいて埋め合わせしたかったのに…… でもその電話の内容を聞いて、俺は血の気が引いた。 真雪さんの要件はあの土曜の夜の事── 「……言わなくても、あなたならわかってるわよね? ……大至急、事務所にいらっしゃい」 静かな口調で真雪さんに言われ、俺はそれを拒否する理由が浮かばなかった。 「何かあったのか? 今日はオフなんだろ? なんで急に…… 」 心配そうに覗き込む先生の顔を俺は見ることが出来なかった。 ……ごめんなさい……ごめん、先生。 「ごめんね、ちょっとトラブル……」 それだけやっと伝えると、俺は先生に事務所へ送ってもらいその場で別れた。 事務所へ入ると、鬼の形相の真雪さんが立っている。 テーブルの上には一冊の雑誌。 「……あんた何やってんの? 土曜の夜は志音にとって大事な日じゃなかったのかしら?」 また…… 陸也さんと同じことを言う…… 大事だよ、大事に決まってんじゃんか! でも、でもしょうがなかった。 「志音……ちゃんと説明しなさい。話はそれからです」 真雪さんがソファに座ると、手を前に出し無言で俺も座れと促す。 説明って言ったって 他の人には聞かれたくない…… 「ここ他に誰が…… 」 「私と志音だけよ! 他の人には出て行ってもらったわ。ちゃんと人払いさせたから安心して話しなさい」 俺は真雪さんの目の前に座ると、諦めて話すことを決意した。 俺は仁奈と最初の仕事、あの香水のポスター撮りの仕事の後に連絡先の交換をしていた。でも別にすぐに連絡を取り合ったりしたわけではなく、社交辞令的なもんなのだと思っていた。 何の音沙汰もなく、この前のCMの話が来てまた一緒に仕事をする事になったんだ。その時、真雪さんや仁奈のマネージャーも一緒に食事をした時、少しだけ仁奈が元気がなかったように感じたんだ。だからといって別に何かを聞いたわけじゃない。その時はそのまま別れ、何事もなく毎日が過ぎていった。 最近になって仁奈からメッセージが来るようになって、ちょくちょく他愛ない話なんかをするようになったんだ。 急にどうしたのかな? ってちょっと思ったんだけど、俺からはとくに何も聞かなかった。 そんなある日、相談したいことがあるから会えないかって言われた。 相手は有名な女優さんだし、二人で会うのは気が引けたから正直にそう言うと、夜帰宅してから改めて電話をするって言って、その日は夜に電話で話した。 仁奈が言う相談ってのは 恋愛相談だったんだ──

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