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快人 9
辿り着いた先は高そうなシティホテルで、予約してあったという部屋も広くて高級そうだった。
「快人……」
「ちょちょ、ちょっと待て!」
部屋を見て回る暇もなく鼻息の荒いおじさんに抱きすくめられた。
うーん…。これが加齢臭というやつか…。
「どうしたの?」
「さ、先に風呂入ろうぜ。俺も、汗かいたしさ…」
「僕はシャワー浴びてきたし、快人の汗の匂いなら大歓迎だよ」
うわー。そういうこと言うなよ。ひくわー。
シャワー浴びてきたとか言ってる癖に、なんかもう汗だくじゃんこの人。
取り合えず、まず離れて欲しい。
「いやいや、俺シャワー浴びないと嫌だから。おじさん先に入ってきて」
「僕はいいや。快人入ってきていいよ」
「よくねえから!いいから入れよ!」
もういい加減臭いしイライラしておじさんをちょうど入口横にあった洗面所に突き飛ばしたけど、またすぐに寄ってきて腕を掴まれた。
「どうしても入って欲しいなら、快人も一緒に入ってよ。そうじゃなきゃ入らないよ」
「は?」
なんかこいつ、俺が思ってたのとキャラちがくない?
めっちゃ力強いし、こんな強引な奴だったの?
俺の身体はもう洗面所に押し込まれ、服まで剥ぎ取られようとしている。
「ちょ…わかったから!入るから離せよ!」
「あ、ごめん。ごめんね?」
なんなんだよこいつ。また気弱になりやがって、イマイチキャラが分からない。
潔いねと誉めたくなるくらい素早く服を脱いだおじさんのでっぷりした太鼓腹と、モジャモジャの胸毛が目に入って今更ながらすげー虚しくなってきた。
「快人も早く脱いで」
おじさんはすごくウキウキしてるけど、俺、何が悲しくて中年のおじさんとこんなことしてるんだろう。
そう思いながらも脱がされるのはごめんだから、おじさんに負けないくらいの早さで服を脱ぐと、たぶんおじさんが唾を飲んだ。ゴクリって聞こえた…。
「はぁはぁ…おじさん興奮してきちゃった…」
うわー。俺今鳥肌すごい…。
鼻息どころじゃなく息の荒いおじさんの手がまた伸びてきたから、素早く避けて先に浴室に入った。
背後からクスクスとおじさんの笑い声がして、浴室のドアが閉まった。
まずい。どうしよう気持ち悪い…。
こんなんで最後までヤれる自信が全くない。
「快人は焦らし上手だね。さ、おじさんの身体を洗ってくれるかい?」
「そ、それぞれ洗おうぜ」
俺にはこう言うだけで精一杯なんだ。せめておじさんのダルダルなフォルムと、その荒い呼吸とセクハラ発言に慣れるまで時間が欲しい。わかってくれ。
「じゃあおじさん洗わないで出ちゃおうかな」
「いやいや、待て!」
「じゃあ洗って」
こいつ…。
こんな奴に同情したちょっと前の自分を殴りたい。
俺はもうヤケクソだった。
どうせ1発やらなきゃいけないんだから、クソ丁寧に洗ってやろうと思ったのだ。
ボディーソープをたっぷり泡立てて、おじさんの背中から洗う。
うわ…背中にも毛が生えてる…。
肝心の頭の毛が薄いのに、こういう無駄な所にはたくさん毛が生えてるのはなぜだ?
おじさんの背中のムダ毛のお陰でボディーソープがもくもくと泡立って洗いやすくなった。なるほどこういう用途があるのか。
「快人の身体を擦り付けて洗ってくれない?」
「そういうのはやってません」
せっかく現実逃避してたのに、おじさんのセクハラ発言で現実に引き戻される。
「じゃあ、背中はもういいから、前を洗って」
くるりと振り返ったおじさんの目はギラギラにぎらついていて、でっぷりした腹の下から赤黒い屹立が覗いていた。
思わずギャーと叫び出したくなるのを堪えて、見るな見るな!と言い聞かせる。
胸毛のお陰でまたモクモクとでてきた泡でおじさんの上半身を必死に洗った。なんか臭う脇の下も念入りに洗う。
「快人は丁寧にやってくれるんだね。でも、そろそろこっちもね」
「うわっ!」
手を掴まれて、見ないようにしていた部分を思いっきり掴まされてすごく失礼だけど、ゴキブリを見つけた時みたいな声が出た。
もう、無駄にでかいし、無駄に長いし…。
割りきって丁寧に洗おうと決意して、
そのまま泡のついた手でそれを撫でたら、無駄にでかかったそれがもっとでかくなった。
「はぁ、はぁ、快人、いいよ…」
違う違う!俺洗ってるだけ!ここ、この後結構重要なとこだから、殊更丁寧に洗ってるだけだから!
「もう我慢できない!」
「うわあっ!」
おじさんがいきなり泡でヌルヌルの身体で抱き付いて来て、俺の身体に自分の身体を擦り付けるみたいな動きをした。うわー…。
「はぁ、はぁ、快人も洗ってあげる」
「や…俺自分で…」
手を突っ張って逃れようとしたけど、おじさんの身体はヌルヌルしてるから滑って全然力が加えられない。
おじさんについてた泡で洗われても、 全然綺麗になった気になれない。寧ろ、汚されている気分にすらなる。
しかも、おじさんのでっぷりとした腹の下から覗く下半身の屹立の先っぽが、おじさんが身体を上下させる度に、俺の無反応のそこに擦り付けられていて、たぶん、いや絶対わざとだ。
「おじさん、もういいから離せよ…」
「じゃあ次はこっち洗おう」
ようやく離れたおじさんが、今度は俺の背中側に移動して、また同じように密着して身体を上下させ始めた。
「だから、自分で洗うって…っ」
後ろからおじさんの手が伸びてきて、俺のモノを掴んだ。
何の反応もしてない所かすっかり萎えているそこを摘まんで、泡の滑りで扱き始めた。
「や、やめろよ!」
「何で?気持ちいい癖に」
「っ……」
おじさんの手に直接的な刺激を受けたそこは次第に芯を持ち始めた。
最悪だ。でも仕方ないだろ。俺はまだ若いんだ。こんな風に触られれば誰に触られたって勃つ。
「はぁ、はぁ、気持ちいいね、快人、気持ちいいね」
おじさんが興奮しきってるみたいな声で言って、俺の尻の穴を指で弄りだした。泡のお陰でするんと難なく指が中に入れられて、すぐに前立腺を探り当てられた。
「んっ……」
「快人…っ」
内部の刺激にはいつまで経っても慣れなくて、前の刺激では我慢出来ていた声が思わず漏れる。
力の抜けた身体の上半身を少し前に倒されて、手を鏡につかされた。
ここでする気なのか?
おじさんとヤるなんてすげー嫌だけど、どうせやるならさっさと終わらせたい。
もう一思いにやっちゃってくれ。
「行くよっ」
ググっと尻穴を押されている。
すごい大きさだったのに、泡の力は偉大で、どんどん入ってきた。
「ああ…快人…いい…」
おじさんの唸りで、全部入ったんだろうとわかった。
おじさんのモノが長すぎて、すごい苦しい…。
吐きそうで口元を片手で押さえたけどおじさんは乱暴で、おじさんの大きさにまだ慣れていない内部をすぐに突き始めた。
「ん…っ、や、だ!まだ、まって!」
これまで入った事のないような奥の方をずんずん突かれて気持ち悪い。
「ああ、気持ちいい…。快人、いいよ…」
おじさんは全然待ってくれなくて、一人悦に入っているみたいだ。
もう勝手に腰振ってさっさとイきやがれ。
俺は悶えるというよりも苦しみながら、自分の苦痛を最小限にする為に力を抜く事だけを考えた。
おじさんのピストンは休む事を知らなくて、結構な時間激しく突いていて、なんだこの無駄な体力と持続力はと悪態をつきたくなる程だ。
でも、だんだん気持ち悪いだけだった奥の方が痺れたみたいになってきて、じんわり快感を伝えてきてしまった。
何で俺こんなおじさんに開発されてんの…。
「はぁ、ぁっ…んっ…はあっ…」
「快人っ…可愛いよっ…」
「も、ゃだっ…いっちゃいそ…」
「いいよっ…沢山イってっ…」
おじさんの手に前を擦られて、あっという間に俺は射精した。
「ああ…快人のびゅくびゅくかわいい…」
うわーやっちゃった…。気持ちよくなっちゃった。それに、射精後の冷めた思考で聞くおじさんのセクハラ発言は精神的にくる。
「動くよ」
おじさんに耳元で囁かれて、気分は下降するばかりだ。
早くイッてくれよ…。
でも、俺の願いも虚しく、おじさんはその後もかなり長く俺を揺さぶって、俺はまた何度かイかされてしまった。
ようやくおじさんがイったのは、俺の感覚では1時間後くらいで、しっかり中出しされた。
でもそんなことも気にならないくらいにヘトヘトでクタクタだった。
「快人が可愛いから早かった方だよ」
嘘だろ。信じらんねえ。どんだけ遅漏だよこいつ。
おじさんが浴室の床に蹲った俺にシャワーを浴びせて、身体についていた泡やら精液を洗い流してくれた。
冷えきった身体が暖められてブルリと震える。もっと丁寧に洗いたかったけど、それより何よりも早く帰りたい。
フラフラと立ち上がって浴室を出てバスタオルで身体を拭いた。
服を着ようと脱いだ服に手を伸ばした所でおじさんに腕を取られた。
「何?」
「快人、僕はまだ満足してないよ」
「は?何言ってるんだよ。1発って約束だろ」
「そんな約束、おじさんは知らない。快人は、何でも好きにしてって言ってただろ?あ、本当の快人は騙されてたんだったね…」
「分かってるなら腕離してくれよ」
「あぁ、ごめんね」
「っ!!」
離してくれると思って力を抜いていた腕をいきなり後ろに捻り上げられてしまった。
何なんだよこのおじさん!
「いてーよ!離せって!」
「ダメだよ。おじさんが満足するまで、快人はここから出さない」
おじさんの豹変ぶりに背筋が凍る。
シュルっと布が擦れる音がしたと思ったら、もう片方の腕も同様に捻られて後ろ手に纏められ、何かで固く縛られた。
そして荷物みたいにひょいと肩に抱え上げられて、足をばたつかせて下ろせと抗議する俺をきっぱり無視して部屋の中に向かった。
どさっとベッドに仰向けに下ろされて、身体の下敷きになった腕が痛んで顔を顰めた。
「いいねその表情。快人は今夜僕だけのものだ」
これがこのおっさんの本性かよ…!
「おっさん猫被ってやがったな!」
「その方がみんな油断するんだ。快人も、おじさんのこと舐めてただろ?」
「クッソ卑怯野郎!腕がいてーよ!これ外してくれ!」
「駄目だよ。快人、手癖と足癖悪いんだろ?そう聞いてるよ。おじさん殴られたくはないからね」
なんでそんなこと知ってんだよ。いや、知ってるのはあの変態か。
「ちょ…!またかよ!」
足を開かされて、またおっさんのでかいモノがあてがわれた。
おっさんのモノはヌルヌルしてて、いつの間にかローションまみれになっていて、俺が嫌がるのを尻目に容赦なく侵入した。
「あぁ…快人の中ぎゅうぎゅう締め付けてきて気持ちいい…」
おっさんはまたすぐに激しく出し入れし出して、突かれる度に押しつけられる腕は本気で痛いし、1時間以上も擦られてた中は腫れてるしでもう最悪だ。
こんなの、セックスじゃなくてただの暴力じゃないか。
俺はこんなに嫌がってんのに。
俺ってゴーカンされてんの?
こんなおっさんに、惨めすぎる…。
おっさんの遅漏は相変わらずで、無駄な体力も相変わらずで、途中意識が朦朧としてしまうくらい長い間ヤられた。
最後の方、おっさんの気持ち悪い唇にぶちゅーとやられたけど、噛みつく元気もなくて、もう完全に俺は諦めてた。
ようやく、本当にようやくおっさんが中でイって、腕も開放して貰えたのは23時頃だった。
おっさんは満足したのか横で高いびきをかいている。
長時間固定されていた腕は拘束を外されても尚痛くて軋んでるような気さえした。縛られてた手首は擦れて赤くなっているし、中はジンジンするし、本当に最低だ。
身体を起こすのに少し力を入れたら、ドロッと尻からおっさんの精液が出てきた。気持ち悪…。
気力で洗面所まで歩いて、服を身に付けてシャワーも浴びずにホテルを出た。
タクシーを拾って、無意識に告げたのは誠のアパートだった。
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