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第5話

「さぁ、うつ伏せになって。」 もう体が熱いばかりでなにも考えられない。 父の指示に従い俺はうつ伏せになっていた。 プスッ 「ぁ…」 俺は小さく喘ぐ。 父が手にしていた小さな いかにも怪しいアタッシュケースから 医療に使われる抑制剤とは程遠い色をした液体の入った注射器が取り出された。 他の人は刺されたことがあるかわからないがそれを自身の尻に刺す。 前までは痛くて涙が出ていたにも関わらず 今は痛みを感じているかすらわからなくなった。 「あと、4本だからな」 そうか。 今日からは5本になったんだな。 5本打ち終わる頃にはもう、自分が誰なのかがわからないぐらいになっていた。 薬はあくまで発情期をなくすのではなく この薬で今無理矢理に発情期にさせ圧縮するだけ。 それを今この身体に起きている 熱は今まで以上に上がり、始めは腹痛に悶文字(もだ)える。 だが、時間がたつに連れそれすらも快楽へと変わっていく。 「はぁ…はぁ…。もっと、もっとおくに‼」 抑制剤ならぬ 促進剤を打たれた俺は 根元からギンギンに立ち上がり既に何度もイっていた。 始めは挿入された瞬間に出してしまうほど感じていたのにそれにすら体がなれ、 入れるだけでは物足りない。 スッキリしないもどかしさに自ら腰を降りだす。 薬を打たれてまだ1時間もたっていない この薬は最低でも3時間はこの苦しみに悶えなければならない。 「頑張れ…。もう少しの辛抱だ。」 そう声をかける父。 先程から俺の後孔を犯すのは父の指。 「すまない。本当に……。」 謝らないでくれよ。 父さんのせいじゃない。 むしろΩの俺を育てて貰えたことに感謝すら覚えてるんだ。 そう伝えたいのに、 口からでるのは 「…い、れて…。父さんの…。 指じゃ足りないよぉ…//」 なんと(みだ)らで(いん)らな言葉。 もはや俺の口からは 頭からは 今を満たしてくれることしか考えられなくなっていた。

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