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第3話 不名誉なあだ名の理由3(西尚親)

「やだやだ!吸血鬼にはなりたくない!」 「はぁ?」  俺がそう叫ぶと、呆れたような声を上げて、ようやく尚親くんが顔を上げる。その唇には予想していた通り、俺の血で濡れており頭がくらくらした。 「てめぇがダサいアザをつけてやがるから、俺が上書きしてやったんだよ。喜べ」  そういうと、唇についた俺の血をエロちっくに舐めとり、不敵に笑った。くそう、そんな姿も格好いい。  それにしても、内股になんでそんなアザが?アザ……? 「そんなところぶつけて……、あぁ!も、ひぃい!?」  もしかして、と続けようとした俺の言葉を遮るように、力強く、音高く、尻をぶっ叩かれた。 「聞くまでもなくわかってんだよ!この、くそビッチ」  叩かれた尻の痛みと、何で尚親くんにそんなことを言われなくてはならないのかという理不尽さに涙がでてくる。  自分だって他の人とエッチしてるくせに。そもそも付き合ってもないし。今だって尚親くんの強姦じゃないか。 「もう……やだ。こんなのやめたい」  気持ちいいことは好きだし、尚親くんは格好いい。でも、俺にはもう別に好きな人がいるし。その……気持ちいいことだけなら、尚親くんよりも優しくしてくれる人がいる。彼が言っていた「ダサいアザ」も、多分その人が付けたものだ。  その人とも付き合っている訳じゃないけど、やっぱり俺が前に好きだった人。付き合っている人がいるからってフラれたはずが、気持ちはあげられないけど、身体だけならって……。いわゆる、浮気相手だ。  いや、気持ちはもらってないから、浮体?うーん、それなら、尚親くんとの関係の方が健全な気がしてきた。いや、そもそも倫理観がおかしい。  好きな人と、相思相愛になりたい。

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