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第7話 不名誉なあだ名の理由7(西尚親)

「やっ、ごめんなさいっ!」  急いで謝るが、時既に遅し。尚親くんは獲物を狩るようなぎらついた目で、がっちりと俺の腰をホールドすると、下から勢いよく突き上げた。  あまりの衝撃に逃げるように腰を動かすが、追い回され、直腸をど突かれる。自分で動いて得ていた前立腺での快感を上回るそれに、突かれる度にぴゅっぴゅっと少量ずつ精液が漏れてしまう。しかも、それが尚親くんのシャツの上にかかっているではないか……。  殺されるかもしれない……。 「待って!本当に待って!あ、あっ!止め、て!あ゛あっ!」  ことの事態を尚親くんに伝えようと必死に訴えるが、聞こえていないのか、聞こえているのに無視をしているのか、いっこうに動きを止めてくれない。  ヤバい、意識飛びそう。  もはや自分では身体を支えきれず、尚親くんの突き上げに合わせてぐにゃぐにゃと身体が揺れ、へたりそうになる度、それを咎めるようによりいっそう力強く、深く、奥を突き上げられる。 「も、だめぇ。とんじゃう……」  そう言葉を発したことを境に、俺の記憶はぷっつりと切れた。    *  *  *  *  *  目を開けて、最初に写ったのは白い天井だった。次に、アイボリーのカーテン。俺が寝ているベッドを囲むように吊られている。つんっとするアルコールのにおい。どうやら保健室らしい。  尚親くんとえっちするときに意識を飛ばすことは多くある。だけど、数秒から数分で意識が戻るので、保健室で目覚めたのは初めてだった。尚親くんが運んでくれたのだろうか。それとも、空き教室でぶっ倒れてた俺を偶然誰かが見つけてくれて先生に連絡してくれたのだろうか。前者だったらうれしいな。 「起きたのか?」  布団が擦れる音に気づいたのか、カーテンが少し開いて保険医が顔を見せる。我が校は男子校なので、保険医も男の先生なのだ。しかもイケメン。去年彼が赴任してから、学園の可愛い男子たちが体育の時間などにわざと転んで小さい擦り傷を作ったり、さっきまで元気そうだったのに急にめまいがしたり、腹が痛くなったりと、保健室の来室者が倍増したらしい。  当の本人は笑顔で対応しているが、次から次に現れる生徒たちに内心ぶちギレなのだ。  愚痴を聞く身にもなって欲しい。 「派手にヤったようだな。西のヤツがばつが悪そうに担いできたぞ。あと、これ」  やった!尚親くんが運んでくれたんだ。  さっきの自分の淡い期待が的中したことにニヤニヤしていると、「これ」といって何かを投げつけられる。 「わっ!なに?これ……」  投げつけられた何かは、ベッドに寝ている俺の顔の上にばさっと被さってきた。  上半身を起こし何かを確認すると、ごわごわとした、Yシャツだった。もしや……これは。 「西のやつが洗って返せってよ。俺だったら、お前の精液まみれのYシャツなんて、どんなに洗っても着たくないね」 「うるさいよ、恭にい」  そう。このイケメン保険医は俺の叔父なのだ。坂城恭治。母さんの弟。俺がこの学園に入学した理由のひとつは、恭にいがいたからだ。 「ねぇ、恭にい。そんなことより、俺新しい技覚えたんだ!練習したいんだけど」  ちなみに、俺が気持ちいことが大好きになったのはこの人が元凶だ。 まぁ、不名誉なあだ名なのだが、ビッチっていうのもあながち間違っちゃいない。 けど、これだけは声を大にして言いたい! 恋人ができたら、一途です!(できたことないけど)

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