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第15話 誰でもいい訳じゃない8(坂城恭治)

「おいおい、ヤル気満々ってか?」  恭にいが風呂から上がってきた俺をにやにやといやらしく笑いながらからかう。それもそのはずで、着替えを部屋に忘れた俺はパンツ一枚のみという情けない姿。下着の類いは脱衣所に備えてあるのがせめてもの救いだった。 「着替え、忘れちゃったから」  自分の失態とからかわれたことにむすっと答えながら、俺のベッドに腰かける恭にいの隣に座る。 「恭にいは?シャワー浴びる?」 「いや、俺は誰ともヤってないし。終わったあとにする」  嫌味かよ。ますますむくれる俺の膨れた頬をつついたり、キスしたり、恭にいはとても楽しそうだ。 「シャワー行かないんだったら、ね。シよう」  構ってくる恭にいの首に手を回すと、俺からキスをした。自分からした、初めてのキスだ。そうとう緊張したのだが、恭にいはそんな俺の気持ちを知ってか知らずか「上手にできました」と誉めてくれた。  そのまま自然に布団の上に横になり、恭にいが上に覆い被さる。 「緊張してる?」  聞かれて素直に頷けば、「かわいい」とまたキスされる。そのキスは唇から首筋へ、そして胸元へ移動し、乳首までたどり着いた。 「俺が育てたかわいいチェリーちゃん。いったい何人に吸われたのか」 「恭にい、変態くさいよ。それに、そんな沢山吸われてない……」 恭にいも、俺がとっかえひっかえ不特定多数とヤッてるってまだ思ってる? 機嫌直してもちょいちょいネタみたいに、尚親くんたちの話しを持ち出す恭にい。流石に悲しい、萎える。 「ごめんって。嫉妬してるんだよ。今まで口出さなかった分、溜まってるんだって」 乳首を咥えたまま、器用に喋りもう片方の乳首は指で捏ねられる。 「はあっ……ん。んん"!ああぁぁあ」 ちゅっちゅっとかわいく音を立てて吸っていたかと、痛いくらいに吸われ、赤くなったところをねっとりと舐めあげられる。 この、おっぱい星人め。次は……絶対噛む! 恭にいのせいで乳首に絆創膏を貼っての生活を余儀なくされた過去を持つ俺は、このままではいけないと、恭にいの頭を掴むと胸元から引き離す。 「ね、恭にい。そこは、もういいから、ね?」 遠回しに下の方を弄ってくれとお願いしたのだが、にんまりと笑った恭にいは──絶対俺の意思を汲み取ったはずなのに──指で捏ねていた方の乳首を解放すると、今度はそこに舌を這わせた。 「ごめん、ごめん。こっちは指ばっかりで不公平だよな。ちゃんとお口で可愛がってやるよ」

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