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7話*

 深い口付けを交わした後、セイトはヨシキをそっとベッドの上に、優しく押し倒した。ぽすんと、柔らかいベッドの上に押し倒されたヨシキは、潤んだ黄緑色の瞳でセイトの青色の瞳をじっと見つめていた。  これからする行為に対して、緊張しているのか、ヨシキの頬は紅潮していて、心臓の鼓動が聞こえてきそうだった。それでも、黄緑色の瞳は、どこか期待するような瞳で見つめてくるので、セイトは一人苦笑を零した。好きな人であり、愛しい人であるヨシキに、求められるのは、とても嬉しい。 「なるべく優しくする。……痛かったら、怖かったら、すぐに言ってくれ」 「はい……、セイトさん」  セイトはヨシキの頭を優しく撫でながら、ゆっくりとヨシキの着ていた服を淫らに脱がしていく。肌蹴た色白い首筋に、セイトは顔を埋めていく。ヨシキからは甘いお菓子の匂いがして、セイトの頭はくらくらしそうになる。軽く触れるだけの口付けを首筋にした後、ちゅっと強く吸い付いた。吸い付かれる度にヨシキは「あっ」と、驚いた様に、けれど、甘い声を漏らすので、セイトの情欲に火が灯り刺激する。色白の肌を舐めると、カスタードクリームの様に甘く感じた。セイトはヨシキの首筋に、所有の証である淫らな紅い花を咲かせていく。  ヨシキの首筋を舌で舐めて辿りながら、胸元へと辿り着いた。華奢な身体つきをしているせいか、あまり筋肉がついていなかった。まるで、女の様だとセイトは感想を抱いた。手を伸ばすとヨシキの胸を優しく揉みこんで、刺激していく。ヨシキは胸を揉まれて、擽ったそうに、けれど、もどかしそうに腰を動かした。しばらく、胸を揉みこんでいくと、セイトはヨシキの果実の様に赤く色付いた乳首に、顔を近付けさせると、ぱくりと口に含んだ。ちゅっ、じゅるっと舐めて、吸い付いて、舌でヨシキの乳首を刺激していく。その度に、ヨシキは声を我慢しながらも喘ぎ声を漏らすので、もっとその声が聞きたくて、セイトは段々と刺激を強くしていく。舐めて、吸い付いて、甘く噛んで。ヨシキの身体に、快楽の刺激が駆け巡る。 「ぁ、せ、いとさ、ん…っ、せいと、さん…っ!」  潤んだ黄緑色の瞳を覗き込むと、気持ち良いと、この先の行為を強請っている様に見えた。ヨシキが必死にセイトの名前を呼ぶ度に、セイトの自身が興奮して重くなる。女の様に感じて悦がるヨシキの姿に、セイトはたまらなくなる。舌でいじめ続けていたヨシキの胸元から顔を離すと、ヨシキの乳首はぷっくりと膨らんで、甘い果実の様に美味しそうに見える。  それから、胸から薄い腹を舌でなぞっていくと、ヨシキの下半身に辿り着いた。ヨシキのズボンと下着をじっくりと淫らに脱がせていくと、ゆるく勃起したヨシキの自身が目に入った。ヨシキの自身は同年代に比べて、小さくて可愛らしく見えた。ヨシキは勃起している事に恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にさせる。ヨシキからは甘い匂いがする。セイトは、ヨシキの自身に触れるだけの口付けを落とすと、ぱくりと口に含んだ。 「ひゃっ!ゃ、ぁ…!せ、せいとさ、ん、だ、だめっ!そこ、きたない、からっ…!」 「お前は綺麗だ。汚い所なんて無い」  ヨシキは、自分の自身を舐められると思っていなかったのか、大いに目を見開いた。いやいやとむずがるように、恥ずかしがって首を横に振るヨシキに対して、セイトは真剣な眼差しで告げる。そうして、ヨシキの自身を口に含んで、舌で刺激をしていく。じゅるっ、ちゅっと淫らな音が部屋の中で響き渡り、ヨシキの耳を犯していく。 「ぁ、ゃあ!せ、いとさん…っ」  ヨシキの弱い所を重点的に攻め立てていくと、口の中に含んでいたヨシキの自身が段々と固く大きくなっていく。そろそろヨシキの限界が近いのだとセイトは悟る。そうして、悪い笑みを浮かべてセイトはヨシキに対して告げた。 「出して良いぞ」 「ひ、ぅっ!!ぁああああああっ!!!」  ヨシキの自身を強く吸い上げると、咥内で白濁がまき散らされた。ヨシキの精液を一滴も残さない様に、セイトはぺろりと飲みこんだ。ヨシキの身体を構成する全てが、ケーキの様に甘く美味しくて満たされる。セイトは口元を手で拭うと、舌で自分の唇を舐めた。 「甘いな」  そんなセイトの姿を目にした呼吸を整えているヨシキは、どきりと心臓の鼓動が跳ねたように見えた。とろとろに蕩けた黄緑色の瞳で、見つめてくるヨシキに愛おしさが増して、それと同時に、ヨシキの事を抱いて、自分のものにしてしまいたいという想いがさらに強くなる。 「……続けても、いいか?」  確認をとる様にヨシキに聞くと、ヨシキは恥ずかしそうにしながらも、はにかむ様に笑んでこくりと頷いた。ヨシキもこの先の行為を求めている事に、同じ気持ちを抱いている事に、セイトは穏やかな笑みを浮かべた。  ヨシキの両足をゆっくりと開かせる。ヨシキの後孔が見えて、逸る気持ちを理性で抑えた。セイトは自分の細長い指を口に含むと、唾液をまぶせた。そうして、唾液にまみれた指でヨシキの後孔にふにふにと触れる。初めて人に見せて、触れられる場所だからか、ヨシキの顔は羞恥心で紅く染まらせる。怖がらせない様に触れながら、ゆっくりとヨシキの後孔に挿入していく。ヨシキの体内は、狭くてきついけれども、熱くてうねっていた。ぐちっ、ぐちゅっとヨシキの後孔を拡げる様にして、指を動かしていく。ゆっくりと、時間をかけて、セイトは慎重にヨシキを傷付けない様に、どうせならヨシキにも気持ち良くなってもらいたいと思いながら、指を動かした。すると、ヨシキの後孔にしこりのようなものを見つけて、ふにふにと押し潰していく。 「ゃ、ぁあああっ!!」  途端に、ヨシキの身体がびくんと仰け反る様に、甘い喘ぎ声を漏らす。セイトは目を細めて笑むと、ヨシキの弱点を集中的に攻め立てていく。 「ここか」 「せ、いとさ、ん…っ!そ、こっ…!」  むずがるように首を横に振るヨシキに対して、唇に口付けを落としながらセイトは指の本数をさらに増やしていく。広げる様に動かしたり、前立腺を押し潰す様にしたり、奥を突いていく度に、ヨシキの後孔はきゅうきゅうとセイトの指を締め付けていく。どのくらい時間が経っただろうが、セイトはヨシキの後孔が解れた事を確認すると、指を抜いた。抜かれたヨシキの後孔は、淫らにひくひくと引くついていて、物欲しそうにしていて卑猥に映る。セイトは、興奮した様に熱っぽく吐息を吐きだすと、服を寛げてセイトの自身を取り出した。ヨシキの痴態を見て、大きく育ったセイトの自身を、ヨシキは黄緑色の瞳で恥ずかしそうに、けれど、期待するようにとろとろに蕩けた瞳で見つめていた。 「ヨシキ」 「セイトさん……」  セイトはそっと顔を近付けると、ヨシキの柔らかく甘い唇に深く口付けをする。ヨシキも求める様に、セイトの首に手を回して抱き着いた。怖がらせない様にしながら、安心させる様にキスをする。セイトの自身をヨシキの後孔に、ゆっくりと時間をかけて、ずぷずぷと挿入していく。ヨシキの体内は、きつくて、熱く蠢いていて、とても気持ち良く締め付けてきた。あやすようにヨシキに口付けをしながら、時間をかけてセイトの自身を馴染ませていく。ヨシキから顔を離すと、セイトは情欲を抱いた青色の瞳で、ヨシキの黄緑色の瞳を見下ろして、口を開いた。 「動いでもいいか……?」  その言葉にヨシキは、嬉しそうに笑みを浮かべるとこくりと頷いた。セイトはその姿を見て笑みを浮かべながらも、律動を開始していく。ぱんぱんと肌と肌がぶつかり合う卑猥な音が響き渡る。その度に、ヨシキは喘ぎ声を漏らしながら、淫らに腰を動かしていく。 「せいとさ、ん…っ、せいとさん…っ!」  名前を呼ぶヨシキに煽られ、さらに激しく責め立てていく。ヨシキの必死に求める姿にセイトは愛おしさが増して、さらに強く抱きしめながら、ヨシキの最奥を突いていく。セイトの自身が段々と固く大きくなっていき、そろそろ限界が近付いてきた。セイトの腰にヨシキは足を愛おしそうに絡めさせると、自ら口付けをした。拙いながらも想いの込めた口付けを、目を細めながらセイトは享受する。ヨシキの最奥を突いた瞬間、ヨシキの身体は仰け反り、ヨシキの自身から白濁がまき散らされた。ヨシキの後孔が搾り取る様にきゅうきゅう締め付けてくるので、ヨシキの体内に精液を吐き出した。最後の一滴まで吐き出すと、ヨシキの後孔から自身を抜いた。ヨシキの後孔からは、どろりと白い精液が垂れて卑猥に映る。セイトはヨシキのとろとろに蕩けた表情を見つめながら、額の汗を拭い取った。そうして、ヨシキの柔らかい唇に、愛しそうに深い口付けを落とす。 「好きだ、ヨシキ」 「俺も、セイトさんが好きです」  お互いに手を絡ませて離れない様に繋ぐと、強く抱きしめるのだった。  これは、ケーキに恋したフォークと、フォークに恋したケーキの物語。

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