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邂逅―3―
リヒトのおかげ?で落ち着いた俺たちは、これまでの事、これからの事を話し合う為に集まって、たき火を囲んだ。
皆の視線が気になる俺は、ユミルさんの背中に隠れさせてもらっている。
今さらなんだろうけど…。
俺、心はそんなに強くない。
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リヒトとユミルさんは、王と王妃の死を探っていた。
ラスタリア教国。
世界樹の南に位置し、プリールメ王家が統治していたが、実権はラスタリア教の本部が握っていたらしい。
世界樹の周囲は教会が管理しており東側と西側に高い壁を作り、北側は教会の人間以外入れないようになっていた。
プリールメ王と王妃は予てより世界樹の視察を会に打診していたそうだ。
もしかしたら、異変を感じていたのかもしれない。
ようやく教会から許可がおりて、世界樹の元へ向かうその道中、落雷にあって亡くなったそうだ。
教会は『世界樹様が拒絶の意を示された』と発表したが、不信感を抱いたリヒトは信頼できる人間としてユミルさんを連れて教会を探る事にした。
教会が隠しているもの……世界樹のことだろう壁を越えたが、魔法壁も張られており、多勢に無勢で谷まで追いつめられ、落とされてしまった。
あの谷を落ちてどうやって助かったのか訊ねると……。
自分たちの周りに強力な防御壁を作り出して、ネットのように弱めの防御壁を幾重にも張り巡らせて、ぶつかる衝撃を少しずつ相殺して最後は谷底へ向けて風魔法を打ち見事着地。
……わかるようなわからないような……でも生きてるから大丈夫だったんだ。
器用な人なんだろう。
俺たちの事は軽く説明は済んでいるいる見たいだけど改めて、マーニャさんとリナーシア様が詳しく説明をしてくれる。
リナーシア様が気を失った後の事をマーニャさんは言いづらそうにしていて、俺から言おうかとユミルさんの後ろから顔を覗かせると、マーニャさんは決心がついたという顔をして俺たちが見た世界樹の現状を……教会のしている事を話しだした。
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