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銷魂の王子―6―

「口を開け、ユーイチ」 閉じた歯列を舌でなぞられる。 ユミルさんの右手が下着の中にさし入れられ、俺のモノを握りこんだ。 「ふわぁっ!?」 思わず開いた口に舌が入り込んでくる。リヒトよりも厚くて大きな舌が口の中を蹂躙していく……。 「やっ……やだっ、やめてユミルさん!!」 握った手を上下に動かされ、少しづつ固くなっていくのが自分でもわかり、羞恥に顔が染まる。 「嫌ならもっと、抵抗して見せろ、中途半端な抵抗は煽るだけだぞ」 同じ男、要領よく俺を高めていくユミルさんの手が滑りをもち始めた。 なんとか抜け出そうと必死に体をよじる。 「やだっ!やだっ!!……リヒト!!」 瞬間にユミルさんの体が吹き飛んだ。 「何をしている。ユミル」 ゆっくりとリヒトが歩いてくる。 「愛を確かめあっていただけだが?」 ユミルさんは体を起こしお腹をさすりながら立ち上がる。 「嫌がる者の体を無理矢理開かせるのが、お前の愛か?サクラの体はまだ子供なんだぞ」 リヒトが剣を抜いた。 俺の横を通りすぎていったリヒトの顔は、あの時……蛇から俺を助けてくれた時に見せたように鋭く研かれた鋭利な刃物のようで、俺は息を飲み込んだ。 「綺麗事しか言えない王子様は引っ込んでろ。ユーイチの心は大人だ」 ユミルさんまで剣を抜く。 止めなければ……そう思うのに、喉が引っ付いて声が出ない。 金属と金属がぶつかり合う音が響いて、二人の剣が交差する。 同時に弾き、後ろに跳んだ二人は間合いをとりながらにらみあう。 「お前はもう引いたんじゃないのか?俺とユーイチが何をしようと口を出すな!!」 大きく切りつけたユミルさんの刃を剣でいなし、リヒトが一閃する。 ぎりぎりのところでかわし、両者の激しい打ち合いに俺の頭はついていけてない。 何で?何が起こっている? 何で二人が戦っているんだ? 俺?俺が悪いのか? 拮抗したつばぜり合いに、お互いの剣が震えている。 「サクラがお前を……お前を選んだから俺は身を引いたんだ!!それを……サクラの気持ちを逆手にとって、こんな事をっ!!」 ブワッ!と リヒトの剣が炎に包まれて、ユミルさんの剣を弾き飛ばした。 しりもちをつくユミルさんに剣を高く振り上げ……。 リヒトの目が本気で……止めなきゃっ!! 「まっ……待って!!……うわっ!」 「………………………」 「………………………」 止めに入ろうと駆け出した俺は、畑をより畑らしく見せるために蔓のロープで囲いを作っていたのが災いし、 足を取られて、顔から地面に突き刺さった。 カッコ悪い……。 二人を止めるのには成功したみたいだけど……。

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