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実る愛―5―

そのまま最後までやるのかと、覚悟を決めたが、俺が絶頂を迎えたところで終了した。 ショックな事にこの体……まだだった。 リヒトは精通も迎えてない体に無理だと大人な対応をしてくれた。 もしかしたら子供のようにユミルさんに張り合っただけなのかもしれないが……。 洞窟へ戻った俺達にユミルさんは 「んな顔でうろつかれたら勢い余って食っちまいそうだな」と笑い。 マーニャさんは 「サクラ様はドンドン可愛くなられて!!ドンドン愛されて下さい!!」と興奮していた。 まともな大人はいないのか。 しかし、今日の食卓を見てマーニャさんの株は大きく跳ね上がった。 「マーニャさんすごい!!マーニャさん大好き!!」 思わずマーニャさんに抱きついてしまった。 それも仕方の無い事。 だって……だって!! 念願のパンが並んでいる!! いくらマーニャさんが美味しく調理してくれているとはいえ、熊や蛇ばかりのメニューはつらかった。 「今日は無発酵のパンですが、今レモンで酵母も仕込んでいますので、数日後にはふかふかのパンもお出しできますからね」 こんな無人島生活の様な場所でふかふかのパンが……っ!! 「マーニャさんお嫁さんになって〜!!」 「駄目です!!サクラ様はリヒト様の嫁なんですから!!」 本気で怒られてしまった。 これさえ無ければ完璧なのに本当に残念な人だよな。 『ナン』のような平べったいパンにレッドキャスクベアーのハンバーグをはさんでサンドイッチのようにして食べてみた。 肉の甘味としっかりした小麦の味……あっ、ハンバーグの中にキノコも入ってる……いろんな味が口の中で混ざりあって……。 「すっごく美味しいよ!マーニャさん!ありがとう!!」 「サクラ様に喜んで貰えるだけで私、幸せです!」 「そのハンバーグという調理法は私が教えたんですよ」 俺の左腕にしがみついてくるリナ。 「小麦を乾燥させたり、石臼作り私もお手伝いしましたよ」 右腕にリヒト。 「ははっ、人気者だなユーイチ。じゃあ俺は粉を挽いたかな?あとパンを捏ねるのも手伝ったな~ご褒美はマーニャだけか?」 「は?ご褒美?」 左右からジッと真剣な目で見つめられる。 「リナ、ありがとう」リナにギュッ。 「リヒトもありがとう」リヒトにもギュッ。 「ユミルさ……ぐはっ!苦しっ!」ユミルさんに思い切り抱き締め返された。 さわさわと音が聞こえる。 『モユルも……ありがとな』 あれ? ……本日の俺の仕事……リヒトとキスしただけ?

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