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牧歌斉唱―5―
夕飯が済んで各々寛いでいるとき、リヒトに予てより企てていた計画を話してみた。
「お風呂…ですか?」
繭玉を茹でるのに使ったあの鍋のようにくり抜かれた岩をお風呂に使えないかと狙っていたのだが、どうやらお風呂という文化が無いようだ。
お風呂がどういうモノか説明をすると、一言「駄目です」とばっさり切り捨てられた。
熱弁しても、「絶対駄目」と完全否定だ。
いつもなんだかんだと妥協案を出してくれるリヒトがこうも頑に反対してくるとは思わなかったので、ちょっとショックだ。
「どうしても……ダメ?」
お願いしますと気持ちをめいいっぱい込めてお願いすると、
「うぅっ……」
あ…揺るいだ。
もう一押しか?
「リヒト、お願い」
「ははは!すっかりおねだり上手になったな。防御壁もしっかり張るし、何なら俺が一緒に入って見張ってやるから、お風呂とやらに入れてやったらどうだ?」
ユミルさんが助け舟を出してくれた。
リヒトは俺とユミルさんの顔を交互に見た後、渋々と言った感じに了承してくれた。
「やったぁ!!リヒト、ユミルさんもありがとう!気持ちいいから一緒に入ろう!楽しみだね」
「おぅ」
嬉しさのあまりユミルさんの腕に飛びついた手をリヒトに剥がされた。
「条件は私が一緒に入る事!ユミルはダメです」
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