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教会の呪縛:リヒト視点※
「リヒト…大好き……」
俺の首に手を回して、しなだれかかる恋人は凶悪な程可愛く、心動かされない訳ではないが、今はそういう状況ではないし、すぐそばには皆がいるこんな場所で、平素の彼がこんなことをするはずもない。
「サクラ……どうしたのですか?貴方らしくないですよ?エルザに……彼女にあったと言ってましたね?何か言われたのですか?」
ユミルからエルザ……元婚約者の女がサクラに接触したと、話は聞いている。
いつ、どうやってと考える事はいろいろあるが、今は目の前のサクラを何とかしなければ。
「こういう俺は嫌い?」
涙目で見上げられ、思わず溜め息がでる。
「嫌いな訳ないでしょう。どんなサクラだって愛しています」
本当にこんな状況でなければ、喜んで飛び付くところだが……。
あの女、俺の計画すべて無駄にしやがって……。
サクラには大人になるまで待つと言ったが、俺だって聖人君子を気取る訳じゃない。
サクラは体こそ幼いが中身は大人だ、サクラが本当にその気になったのであれば、何時だって彼と最後までやるつもりでいた。
彼の体に負担のかからぬように、寝具を整え、個室を作り、準備を整えてから心も体もひとつになれるように進めてきたと言うのに……。
俺から離れようとしないサクラを抱き上げ、皆に出てくるとだけ声をかけて、洞窟を出た。
昨日作った、風呂の脱衣所の木の床にマントを敷いて、サクラを寝かせた。
「サクラ……本当に良いんですか?私は貴方に無理はさせたくないのですが……」
「リヒト……リヒトが俺のだって、俺がリヒトのものだって確証が欲しい。早くリヒトとひとつになりたい……」
・・・・・・・・・・・・・・・・
唇を重ねると、たどたどしい動きで舌が入ってくる、小さな舌に舌を絡ませてサクラの口腔を堪能したあと、首筋から胸に、胸から腹に、所有の証を散らしていく。
「ふっ……はぁ………あ」
サクラのモノを手で刺激すると可愛い声でないてくれる。
「リヒト……早く、早く入れて」
「そんなに欲しがってもらえるのは嬉しいのですが、焦らないで、貴方に無理はさせたくないと、いったはずです」
まだ早いと思いつつ、サクラの透明な液体で少し滑りを持った指でサクラの蕾へと触れた。
「んっ……」
固い蕾を解すように指を小さく動かしながら差し込んでいくが、こんな状態で俺のモノを入れろなんて無茶を言う……。
ようやく一本入ったが、サクラのモノは萎えてしまっている。
止めると言っても聞かないだろうし、せめて気持ち良くしてやりたい。
「サクラ……愛しています」
唇を合わせながら、温かいサクラの中をほぐしていく。
「あぁ……んん……」
次第に甘い声を漏らし初めたのを見計らって、指を増やす。
「くっ……ぅん……リ…ヒトぉ…」
俺の首に腕を回して自らキスをねだってくる唇に喰らいつくよう唇を合わせ、漏れでる声に俺も冷静さを奪われていく。
「リヒト、もぉ、いぃ…から…早くちょうだい」
初めて会った時は警戒心を丸出しにした猫のようだったのに、本当におねだり上手になったものだ。
「わかった……サクラ……キツいかもしれないが我慢してくれ」
ズボンから、勃ち上がった自らのモノを取り出すとサクラの蕾へと押し入れようとした瞬間、激しい光りとともに弾かれるように二人の体は離された。
急いでズボンを戻し、剣に手をかける。
「何故お前がここにいる!エルザ!!」
場違いな黒いドレスに身を包む女を睨みつけた。
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