66 / 85

それぞれの朝【ユミル】

「はぁ~~~……」 本当にあいつは………。 カラカラとトイレットペーパーを巻き取る音が虚しく響く。 扉の外で聞いていた、ユーイチの声だけでもガン勃ちしていたのだ、目の前であんな姿を見せられたら……。 俺って偉いよな。 よく暴走して手を伸ばさなかったなと、自分を誉めてやりたい。 あの坊っちゃんは昔から俺をライバル視してよく張り合ってきてたからな。 俺達を意識してわざとユーイチに声をあげさせてた気がする。 まさか、あんな姿のユーイチを見せつけてくるとは思わなかったがな。 愛されて幸せそうだったユーイチの声。 良かったな……愛を知らず、どこか心がイビツに歪んでいた似た者同士の二人。 幸せになってくれるならそれで良い。 たまに触らせて貰えれば尚良し……。

ともだちにシェアしよう!