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それぞれの朝【マーニャ】
『よっしゃ!!合体ぃっ!!!』
思わず叫びそうになった私の口をユミル様が押さえてくれました。
小さく聞こえるサクラ様の可愛らしい喘ぎ声に私……私、もぉ死んでも良い!!!
サクラ様がいなくなられて、魂が抜けたかのようなリヒト様を元気付けようとするユミル様……過去の私なら興奮ものでしたのに……。
サクラ様がいらっしゃらない世界は私も灰色のような日々でした。
あの日、リヒト様の腕の中で形を取り戻していく成長なされた姿のサクラ様。
それはとても神々しく、女神様が降臨されたのかと思いました。
モユル様を優しく抱き締める姿はまるで聖女様のよう。
私が世界に色を取り戻した瞬間でした。
そして今、長年夢にみていた瞬間が………。
私が仕立てた布団の上で激しく絡み合う二人。
涎を拭う私を冷めた横目で見るユミル様。
ふっ……サクラ様のお声と、この扉の向こうにあるサクラ様の痴態を想像して、そのご立派なものを勃ちきらせている貴方に私の事を非難することができまして?
私以上に聞き耳をたてているのは、わかっておりますわよ。
あぁ……リヒト様ったらお若い。
サクラ様はもう限界のご様子。
冷めきらないリヒト様を優しく受け入れるサクラ様……神かっ!?
あら……さすがにもう、打ち止めかしら……?
扉に耳を押し付け中の様子を………あら、リヒト様。
ご機嫌麗しゅう。
「マーニャ、浄化魔法をお願い出来るかな?」
やります!やります!!嬉々としてサクラ様のお側に向かう。
なんということでしょう。
あんなにしっとりとした上品な貴婦人のようだったサクラ様のこの淫靡なお姿。ビフォーアフターが重なる。
以前の私でしたら、鼻血を吹き出し大騒ぎしたことでしょうね。
何でしょう……この充たされた、穏やかな気持ちは……。
悟り……?
私はまた、一段大人の階段を登ってしまった様ですわ。
これからも、暖かくお二人を見守っていく所存です。
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