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第27話
その後も落ち着かず、病室内を行ったり来たりしていた。
先輩も初めのうちはそんな俺に声をかけてきたが、暫くしたら何も口を出さなくなった。
捜索開始から1時間近くが経過したところで湊は痺れを切らし、自分も探しに行こうと扉の方へ歩き出した時だった。
ずっと開くことのなかった病室の扉が開かれたーー
扉が開いた先にいたのは碧海と、碧海に横抱きされた侑舞だった。
湊は侑舞の姿を見た途端、駆け寄った。
「侑舞!!!!」
大きな声を出した湊に、碧海が静かにというジェスチャーをした。
「弟君寝てるからあんま大きい声はだすな。安心しろ、無事だから。」
侑舞の顔を覗き込み寝顔を確認した湊は安心してその場にしゃがみこんだ。
「よかった。何もなくて本当によかった。」
そんな湊を久我野が支えながら立たせベッドの近くに置いてある椅子に座らせた。
「遅くなって悪かったな。」
その言葉に湊はただただ首を横に振った。
「とりあえず、まだ先生方に連絡してないから、見つかったことを知らせないとな。弟君の状態も診てもらわないといけないだろ?」
「うん。えーっと……、ナースコールすればいいのかな?」
「たぶん。もしくは、湊は和田先生の番号知ってるだろ?和田先生に一報入れたら良いんじゃないか?担当医なんだろ?」
「あー!忘れてた。それが一番いいね。和田先生が他のスタッフにも伝えてくれるだろうしね。」
「忘れんなよ(笑)んじゃ、連絡よろしく。」
湊は碧海の言葉に頷き、携帯を取り出して和田の番号をコールした。
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