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第29話
携帯の画面を見ると、そこに表示されていたのは湊の名前だった。
自分も探したいといった内容かな?と思いながら電話に応じた。
「はい。」
「あ、もしもし?和田先生、侑舞見つかりました!それで診察のほうをお願いしたいんです。あと、捜索している他のスタッフの方々への連絡も。」
それは侑舞が発見されたという連絡だった。
「そっか~!連絡ありがとう。無事見つかってよかったよ。他のスタッフに連絡しながら病室に向かうから待ってて!」
短い会話をして和田はすぐに通話を切った。
「よかった……」
そう小さな声で呟いた和田の目には、涙が溜り一筋の雫が頬を伝って零れた。
和田はその雫を手で拭うと、スタッフに向けたメッセージを打ち込みながら侑舞の病室へと足を進めた。
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