31 / 82

第29話

携帯の画面を見ると、そこに表示されていたのは湊の名前だった。 自分も探したいといった内容かな?と思いながら電話に応じた。 「はい。」 「あ、もしもし?和田先生、侑舞見つかりました!それで診察のほうをお願いしたいんです。あと、捜索している他のスタッフの方々への連絡も。」 それは侑舞が発見されたという連絡だった。 「そっか~!連絡ありがとう。無事見つかってよかったよ。他のスタッフに連絡しながら病室に向かうから待ってて!」 短い会話をして和田はすぐに通話を切った。 「よかった……」 そう小さな声で呟いた和田の目には、涙が溜り一筋の雫が頬を伝って零れた。 和田はその雫を手で拭うと、スタッフに向けたメッセージを打ち込みながら侑舞の病室へと足を進めた。

ともだちにシェアしよう!