侑舞くんとの別れ方に関してはまずかったかなと、振り返れば今でもそう思う。 何も告げずに日本を離れてしまった。 心を許していた人物が突然いなくなったら、再び心を閉ざしてしまう子もいる。 実のところ、姫宮はこれからのことを考えての決断でもあった。 海外には行かないにしても1度は離れる予定だったのだ。 1人の人間に依存しすぎるのはよくない。 姫宮が対応できないときが必ずいつかくる。 その時に信用できる人が他にいないのは困るし、誰かを頼れない状態ではまずい。 1人でも多く、侑舞と普通に接することのできる医師と侑舞自身が誰にでも、ある程度心が開けるようになることが必要だったのだ。 まぁとは言っても、その結果があれでは意味が全くない。 何はともあれ、とにかく今は予定通りに日本へ帰れるように目の前のこの書類たちを片付けないと。 姫宮はグーっと伸びをすると、1度侑舞のことを頭から追い出して仕事に集中した。 日本に帰るまであと6日。 侑舞と再会するまであと1週間―――