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第68話
翌朝7時ごろに起きてリビングに行くと、電気がまだついていなかった。
兄さんはまだ起きてないのかなと思いリビングの扉を開くと机の上には朝食が用意してあった。
近くに、先に行くから朝食を温めて食べるようにということ、今日はバイトがあって遅くなるから、夜は米だけ炊いておかずは冷凍してあるのを温めて食べるようにという内容のメモが置いてあった。
そのメモに侑舞の口からは思わず溜息が漏れた。
(こうもあからさまに態度を変えられたら俺だってどうすればいいのかわかんないよ……)
折角用意してくれた朝食も全然のどを通らず残してしまった。
捨てるわけにもいかないのでお弁当箱に詰めて昼食に持っていくことに。
これからのことを考えると頭が痛いし、また溜息が出そうになったが、それを飲み込み久しぶりの高校に向かった。
学校に着き教室に入るとまだクラスメートはほとんど来ていなかったので、朝のSHRまで机に伏せておくことにした。
だんだんと騒がしくなっていく教室の様子を感じながらも、そのまま伏せて兄さんのことに関して考えていると、背中に重みを感じた。
「侑舞久しぶり~。もう大丈夫なの?」
「んー。和おはよ。とりあえず重いからどいて。」
そう言うとごめんごめんと謝りながらどいてくれた。
「で?体調は?」
「もう大丈夫だよ。見舞い来てくれてありがとな。今度なんか奢る。」
「よかった~!入院って聞いたときびっくりしたんだからね!全然LINE返してくれないし!」
「あーそれに関しては悪かったって。体調悪くて携帯見る余裕なんてなかったんだよ。」
「まー、とにかく無理だけはしないでね。少しでも体調悪くなったら俺に言ってよ!?」
「わかった!分かったから落ち着けって。」
和を宥めていると先生が入ってきた。
(先生ナイスタイミング)
心の中で先生に感謝すると、先生が来たからと言って和に席に戻るように言った。
先生の姿を確認すると和は渋々席に戻っていった。
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