碧海side いつもよりだいぶ早い時間に大学へと向かっているときに 、湊からLINEでメッセージが来た。 どうやら相談したいことがあるらしい。 大学のすぐ近くまで来ていたので、そんなに遅くならないことだけ伝えて歩く速度を速めた。 指定された大学内にある噴水に行くと、噴水の傍にあるベンチに湊と久我野先輩がいた。 遅くなったことを詫びてから相談の内容を聞くと、弟君とのことだった。 それを聞き、話し合いを退院する日にすると決めたんだったなと思い出した。 湊は昨日話し合いをした時の内容を事細かに話した。 あらかたお互いの気持ちは伝えたようだが、結局のところ事態は悪い方向へと進んでしまったようだ。 話を聞いている限り、湊が謝り続けたことが話し合いを続けられない状況へとしてしまったような感じがある。 あの子は元々優しい子だし、さすがに謝り倒されたら何と声を掛けたらいいか分からなくなるだろう。 てか、俺でも声をかけかねると思う。 極めつけは今朝のことだ。 気まずいとは言え、顔を合わせることなく家を出るなんてあからさますぎる。 しかも、家を出ようと考えているなんて怒りを通り越して呆れる。 今離れたらどうなるのか分からないのか？と問うと、久我野先輩が反論してきた。 先輩は湊のことしか見てないからそんなことが言えるのだ。客観的に見たら離れるべきじゃないことは分かり切っているのにという思いが溢れて止まらなくなってしまった。 その結果2人で言い争いになってしまい、湊に止められる始末だ。 とにかく反対であることだけを言い残して、碧海は先にその場を後にした。