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第2話

「こいつは俺が貰う。王には俺から話しておく。」 「ですがオレグ様、その者は罪人です。」 「だから俺が面倒を見る。意味が分かるな?」 オレグ様と呼ばれた人間ではないその人──獣人がそう言うと、周りは顔を青くする。 「おいお前、ついてこい。」 鎖を引かれて歩く。ついてこいって……ついて行くしか術がないのに。 そのままオレグ様の後ろをついて歩く。オレグ様の身長はとてもでかい。俺なんかとは比べ物にならない。そして体付きもがっしりとしていた。暗いところで見ていたからわからなかったけど、オレグ様の髪色は金色で、尾てい骨あたりからは尻尾が生えている。 さっきまで歩いていた街が見えてきて、そこに足を踏み入れると「オレグ様だ!」と至る所から声が上がる。そしてあっという間に周りを囲まれた。 「お前達、俺は用事があるんだ。道を開けてくれ」 「オレグ様!これ、今日うちで取れた野菜です!どうぞ召し上がってください!」 「オレグ様ー!」 そんな声を振り切って、やっとの事で着いた家。どうやらここはオレグ様の家らしい。 椅子に座って俺を見下ろす姿は、大きな圧力がある。 「おいお前、名前は?」 「……アメデ」 「アメデか。お前、何の罪を犯した。」 「何もしてません。勘違いされて……」 「勘違い?どういうことだ。」 この人は話したら理解をしてくれる人だろうか。皆に慕われていたから、そうかもしれない。 「実は……」 あったことを全て話すと、オレグ様は頷いた。 「俺がそんな見え透いた嘘を信じると思うか?」 「嘘じゃ……」 「今からお前には罰を与える。」 オレグ様が立ちあがり、鎖を引かれる。急に恐怖が襲ってきて抵抗したけれど無意味だった。 「お前の容姿は伝説でしか聞いたことの無いもので珍しい。だから痛めつけることはしない。」 「……っ」 「代わりに屈辱を与えてやる。」 いきなり体を持ち上げられ、ベッドに落とされた。着ていた服を切り裂かれる。 「やっ、な、何をする……っ!」 「無駄な抵抗はしない方がいい」 手も足も使えないんじゃろくな抵抗はできない。恥ずかしさに涙が滲む。

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