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2月3日の夜。-4

俺と小太郎の間に、色白の男の娘が割り込んで座る。 白いロングヘア。全身コーデは虎柄ビキニのラムちゃん。男のくせに細腰のせいか、あまり違和感は感じない。 首筋から時折漂う、甘っとろい匂い。 その胸元にあるネームプレートには″♡ミルク♡″の文字。 「……はい、あーん♡」 ミルクが小太郎に、何かを食べさせている。 しかし……完全に俺に背を向けたミルクのせいで、小太郎の様子がこっから全っ然見えない。 「……え」 「びっくりした?……ミルクの、太くておっきいでしょぉ」 「……、これ……入んな………ぅンッ、」 何やら妖しげな会話。 俺は寸止めされ、イライラとイラつきながらも聞き耳を立てる。 「ほらもっとぉ、お口あーん、して♡」 「……ン、っ」 「そうそう。上手!」 「は、ふ……んぅ、っ、……」 「美味しい?……ミルクのはね、ミルク味がするんだよぉ♡」 次から次へと耳に入る卑猥な会話。 その度に、よからぬ妄想が俺の頭の中で繰り広げられていく。 「だからぁ、よぉ~く味わって食べてねん♡」 「……も、もぉ……入んな……ンッ」 小太郎の苦しそうな喘ぎ声。 それはやはり……食いもんではなく……ミルクのアレか!? ……それが、小太郎の口の中に…… ……って、くそ…… 俺だってまだ、小太郎にして貰ってねーのに……!! いや、問題はそこじゃねーだろ! ……と、もう一人の冷静な俺がツッコミを入れる。 ……ああ、クソ! 若干涙目になりながらも、沸々と怒りが込み上げてくる。 どういう店だか知らねぇけど、客に咥えさせるなんてどう考えてもオカシイだろ……っ! 険しい顔のまま、立ち上がろうと腰を浮かせる。 「……ま、待って」 その時…… 俺の斜向かいにいたもう一人の従業員が、俺の手を握り、ぐいと引っ張った。

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