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2月3日の夜。-6
もの寂しいとばかりに、俺の隣に座り直ししな垂れる。
「……けん、たろぉ」
潤んだ瞳を向け、俺の内腿に手を掛ける。そして欲望が滾る中心部へと、その指がスルッと滑り上がった。
「……おっ…きい」
とろりと蕩けた瞳。濡れた唇。そこから覗く、蜜のように艶めく赤い舌。
「ここ、ごほーし……させてくらしゃ……」
「……小太郎」
語尾を重ねる様に、愛しい名前を口にする。そうして顔を寄せれば、その艶やかな唇は逃げずに俺を待っていた。
……そう……俺の理性は既に、バーンと吹っ飛んでしまっていた。
「……ん、ぅンっ、……」
苦しそうな息遣い。
俺の前で跪き、その 小さく可愛いらしい口で、懸命にご奉仕をする″小太郎″。
「……やべ、……」
舌が絡みつき強く吸われる度に、感じ過ぎて声が洩れそうになる。
……小太郎、……
俺……もう抑えきれねぇって……
押し寄せてくる快楽の波に襲われ、その度に何度も抗うものの、遂にそれも限界に達してしまう。
「……く、……ィ、くっ!」
……まずい、出る!
前屈みになり、″小太郎″の肩を掴んで後方に押し退け……たのだが……
「……わ、悪……」
いくら何でも、初めてであろう″小太郎″の咥内には出せないと思ったのだが……
結果、咥内は勿論、事もあろうか顔にも掛かってしまった……
慌ててハンカチを取り出し、″小太郎″の濡れた頬や口元を拭いてやる。
「他に掛かってないか?」
「……ううん」
「てか、口に入ったの……飲んだのか?」
「うんっ」
″小太郎″が膝を付いたまま、小動物の様に愛くるしい笑顔で俺に擦り寄ってくる。
すっかり俺に靡いた″小太郎″の頭を、愛おしむ様にそっと撫でた。
……ん?
指に触れたのは、蠢く何か。
違和感を感じ恐る恐る″小太郎″の頭頂部を見れば……
髪を掻き分け伸びる、猫耳……
え、猫耳……?
瞬間サッと血の気が引く。
そして思い出す、先程の光景……
「……けん、たろー……優しい……好き!」
ま、マジかよ……
俺……まさか小太郎以外の奴と……
現実に直面し、ぱかんと口が開く。
キナコに抱きつかれながら、しゅうぅぅ……っ、とそこから魂が抜け飛んだ。
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