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友達+α_04

 冬弥は女子に優しい男だ。しかも背が高くて顔も良い。  そんな男を女子が放っておくわけがなく、いつも冬弥を中心に女子が傍にいる。  昼休みも、女子と一緒に食堂へ行ってしまうので、その前に冬弥の首根っこを掴む。 「なによぉ、総一はあいつとご飯でしょ」  早くいきなよと言うが、手を離してはやらない。 「ごめんね、冬弥、かりていくわ」  女子には笑顔でそう伝えると、誰も文句を言うことなく、どうぞと離れていく。 「ちょっと、俺は二人の邪魔になるだろ」  行きたくないと冬弥が駄々をこねるが、 「冬弥、昨日、田中にした事を謝らないとなぁ」  怒りを込めた笑顔を向けた。 「何でよ。俺は正直に話しただけだろうが」 「それで傷つけてよいわけではないだろう?」  冬弥だって解っている。だから動揺したんだよな。肩が小さく震えていた。 「大丈夫だったか」 「あぁ」  まったく。昨日、眠れなかったんだってな。冬弥の弟、彰正が教えてくれた。  目の下の隈に親指で触れると、冬弥が驚いて目を見開く。 「ちょっと、そういう事は女子にしなさいな」  本気で嫌そうな顔をされて、苦笑いする。  俺も冬弥にされたら嫌だと感じるだろう。だけど田中だったら、平気かもしれない。 「行こうか」  と手を掴むと、やめなさいと振り払われた。

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