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告白_04

 気持ちがソワソワとしていて落ち着かない。  だって、俺のどこが良くて惚れたんだよ。見た目は普通だし、中身は自分で言うのもなんだけど最低だぞ?  一人で抱えていると混乱するだけだし、誰かに相談した。だけど、話せる友達はいねぇし、この手の知り合いもいない。  あ、一人だけ相談できそうなやつが……。 「いや、アイツはないわ」  思い浮かんだ相手に、あり得ないと首を横に振るうが、俺にはアイツしかいない。  でも、連絡しようにも尾沢兄の番号知らねぇしなって、あ、そうだ、連絡先を知っている奴が一人いるんだった。  俺は立ち上がり尾沢の席へと向かう。 「尾沢、ちょっといいか?」 「なんだ」  次の授業の用意をしている所に話しかける。流石、委員長だけあって真面目だな。 「頼みがあるだけどさ、兄貴に俺が会いたがっているとメールをしてくれないか?」 「良いけれど、本当に兄貴と知り合いなんだな。どうりで田中の事を聞かれる訳だ」  葉月の事は女子から聞いたと話していたが、弟にも俺の事を聞いているじゃねぇか。 「何を聞かれた?」  学力は後ろから数えた方が早いし、クラスでは浮いている存在。いい所なんて何もない俺の何を知りたいんだよ、あの人は。 「今まで付き合った女性のことを」 「はぁ?」  それを知ってどうする。まさかそれを総一さんに伝える気か。  そんな事をされたら、嫉妬をして、キスをされるんじゃ……!  唇の感触。とろけそうな気持ち良さを思いだして、頬が熱くなる。俺はそれを隠すようにお頭を抱えてしゃがみこむ。 「田中、どうした」 「尾沢、ごめん。キャンセル」  駄目だ、あの人に話をしたら。面白がるにきまっている。 「別にかまわないが、大丈夫か?」  尾沢の手が俺の肩に触れる。  その時、尾沢のスマホからバイブ音が聞こえ、 「あ、兄貴からだ」  と呟いた。  タイミングがいいなぁ、尾沢兄! 「田中、これ」  スマホの画面を俺の方へと向ける。そこには田中へと書かれた文字と可愛い動物のキャラクターが、ムフフと笑うスタンプが貼りつけてある。 「ムカつく」  総一さんから聞いたんだな。くそ、会ったら、スタンプと同じような顔をするんだろうな。 「兄貴と何かあったのか?」  何か嫌な事をされたかと、俺を心配してくれる。 「あ、うん、色々な」 「そうか。もしもの時は俺に言え。半殺しにしてやるから」 「お、おおぅ」  なんか、心強いわ。  その時は素直に頼るとしよう。ありがとうと言い、俺は席へと戻った。

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