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捜し人 3

「で、テメェはなんで倒れてた?」 「…………っ」 「おい、聞いてんだろ? 口聞けねぇのか?」 「ちょっとアディ、彼怖がってるからそんな威嚇しないで!!」 この黒髪の男、目の前に来たかと思えば切れ長の目で威圧的に質問するのでシュリは萎縮してしまい答えられないでいると、すかさずフランがフォローに入る。 「ごめんね。 こいつはアディシオン・ジルダ。アディでいいよ。 悪い奴じゃ無いんだけどね、ちょっとコミュ障で。」 「おい、誰がコミュ障だ?」 アディの突っ込みも無視しフランはシュリに話し掛ける。 「それで、君はなんで倒れてたの? 一体何処から来たの?」 優しく語りかけられたシュリはアディの時とは打って変わって口を開いた。 「……逃げてきた」 「逃げてきた?」 「ご主人様の所」 「ご主人様?」 「うん」 シュリが言うには金持ちの貴族に売られ、性的な事をさせられていたのだと言う。 けれどどうしても会いたい人がいると、このままではずっと会えないと思い逃げ出したのだと言う。 「会いたい人がいるの?」 「うん。ミルド。 ずっと前にいなくなった。 だから会いたい。探したい」 歳の割には随分拙い言葉でそう伝える。 しかしそのミルドが何処にいるのか、何をしている人なのか年齢も何も分からないと言う。 そんな人物をどうやって探すのか…… それでも彼に会いたいのだと訴える。 ミルドと言う人物を探したいと言うシュリにフランはこの後どうするのかと聞く。 「分からない。 でも、ミルドを探す。 他に行くところも無いから……」 「じゃあさ、僕たちと来る?」

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